
全館空調の仕組みを徹底解説──1台のエアコンで家全体を快適にできる理由
こんばんは、かおり木工房のそうのです。
ここ最近、見学会や相談会でお客様からよくいただく質問があります。
「全館空調って本当に快適なんですか?」
「エアコン1台で家じゅうが涼しく、暖かくなるって本当?」
SNSやYouTubeでも“全館空調”という言葉は広まりつつありますが、実際の仕組みやメリット・デメリットを正しく理解されている方はまだ少ないのが現状です。
今日は、私たちが採用している松尾式全館空調Ver.3をベースに、「なぜ1台のエアコンで快適にできるのか?」を分かりやすく解説していきます。
■ そもそも全館空調とは?
全館空調とは、リビングや寝室といった特定の部屋だけでなく、家全体の温度を均一にコントロールする仕組みのことです。
従来の住宅では、各部屋ごとにエアコンを設置し、それぞれで温度を調整していました。
その結果、こんな悩みが生じます。
- リビングは快適でも廊下やトイレは寒い
- 子ども部屋と寝室で温度差が大きく、体調を崩しやすい
- 部屋ごとにエアコンをつけると光熱費がかさむ
- メンテナンスや掃除が複雑
これに対して全館空調は、たった1台のエアコンで家全体の空気を循環させ、温度差をなくす仕組みを採用しています。
■ 松尾式全館空調の特徴
私たちが採用しているのは、建築家・松尾和也先生が提唱する「松尾式全館空調」。
特徴はシンプルです。
- 夏は小屋裏に設置したエアコンで冷房
- 冬は床下に設置したエアコンで暖房
- 換気システムと組み合わせ、家中の空気を計画的に循環
この方法により、家中どこにいても温度がほぼ均一になり、“廊下が寒い”“脱衣室が暑い”といった不快さがなくなるのです。
■ 1台のエアコンで足りる理由
「なぜ1台でいいの?」と驚かれる方も多いですが、答えは“建物性能”にあります。
- 断熱等級7レベルの高断熱
- C値0.3以下の高気密
- 太陽に素直なパッシブ設計
この3つが揃うことで、家そのものが魔法瓶のように外気の影響を受けにくくなります。
そのため、1台のエアコンを稼働させるだけで家全体の空気を均一に保つことが可能になるのです。
もし断熱・気密が不十分であれば、いくら全館空調を導入しても快適にはなりません。
つまり、「性能の低い家に全館空調を入れても意味がない」ということです。
■ 全館空調の仕組みを図解イメージで解説

- 夏の冷房:小屋裏にエアコンを設置 → 天井ダクトを通じて各部屋に冷気を送る
- 冬の暖房:床下にエアコンを設置 → 床からじんわりと暖気が上がる
- 換気:第一種換気で空気をコントロール → 熱交換を行いながら新鮮な空気を供給
これにより、「冷房は上から」「暖房は下から」という理にかなった循環が生まれ、効率的な空調が可能になります。
■ 実際の暮らしの変化
全館空調を導入されたお客様からいただいた声を紹介します。
- 「夜中に子どもが布団をはいでも安心して眠れる」
- 「冬でも廊下やトイレが寒くなく、家中どこでも快適」
- 「エアコンの風が直接当たらないので乾燥しにくい」
- 「光熱費が思ったより安くて驚いた」
特に「温度差がない」という点は、健康面に直結します。
ヒートショックのリスクが下がり、子どもから高齢の方まで安心して過ごせるのは大きなメリットです。
■ 光熱費と経済性
「1台で本当に大丈夫?」という疑問の多くは、光熱費への不安でもあります。
しかし実際には、部屋ごとにエアコンをつけるよりも効率が良いため、光熱費はむしろ下がる傾向にあります。
さらにC値0.3以下の気密性能と組み合わせることで、冷暖房エネルギーが逃げず、年間で30〜40%削減されるケースもあります。
■ メンテナンスと耐久性
従来の全館空調システムは「大掛かりでメンテナンスが大変」という欠点がありました。
しかし松尾式全館空調は、市販のエアコンを利用するシンプルな構造のため、修理や交換が容易です。
さらに、空気清浄機を通してからエアコンに空気を送り込む仕組みを採用しているため、エアコン内部のカビ発生も抑制。
「全館空調はカビだらけになるのでは?」という不安も解消できます。
■ 静岡の気候と全館空調の相性
静岡は夏は高温多湿、冬は底冷えもするという難しい気候です。
この地域で全館空調が効果を発揮するのは以下の点です。
- 夏の湿気をコントロールし、ベタつきを抑える
- 冬の底冷えを防ぎ、朝から快適に起きられる
- 通年で温度差をなくし、健康被害を抑える
まさに静岡の気候にこそ、松尾式全館空調がフィットしているのです。
■ かおり木工房の取り組み
かおり木工房では、断熱等級7 × C値0.3以下 × 松尾式全館空調を基本とした家づくりをしています。
- 全棟で気密測定を実施
- 実測データをお客様に公開
- 空気の流れをシミュレーションして設計
- 見学会で「実際の空気感」を体感できる機会を提供
数字と体感の両方で性能を確認できる家づくりを徹底しています。
■ まとめ
全館空調は、単なる設備の話ではなく「家の性能」と「暮らし方」に直結するものです。
- 高断熱・高気密があって初めて意味がある
- 1台のエアコンで家全体を快適にできる
- 温度差がなくなり健康面で安心
- 光熱費を削減し、長期的に経済的
- 静岡の気候にマッチした暮らしが実現できる
かおり木工房は、これからも“太陽に素直な設計”を基本に、全館空調で「冬暖かく夏涼しい家」をお客様にお届けしてまいります。
それでは、また。
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