
全館空調システムを導入する必要性がある?検討方法とは
快適性・省エネ・コスト…全館空調を選ぶ前に知っておきたいこと
全館空調とは?
全館空調とは、家全体の空気を一括して冷暖房・換気し、室内を均一な温度に保つシステムです。
各部屋に個別のエアコンを設置するのではなく、一つの空調機器とダクトや風道で家中の空気を循環させます。
この方式により、部屋間の温度差をなくし、移動時の寒暖差ストレスを軽減することができます。
全館空調の主なメリット
・温度ムラの解消
家全体を同じ温度帯に保てるため、暖房の効きにくかった部屋や廊下も快適になります。
・換気・空気清浄との統合
多くの全館空調システムには換気機能や空気清浄機能がついており、花粉・ホコリ・ウイルス対策にもなります。
・見た目すっきり
各部屋にエアコンを設置する必要がなく、室内の見た目が整いやすくなります。
・運転の最適化
システムによっては、温度差を感知して省エネ運転に切り替える機能を持っていることもあります。
導入のための前提条件・注意点
全館空調は万能ではありません。導入前には以下の点を検討する必要があります。
・断熱・気密性能が十分であること
全館空調が効果を発揮するには、「熱が逃げにくい」住宅環境が前提です。断熱性・気密性が低い家では空調負荷が大きくなり、光熱費が跳ね上がることがあります。
・ダクト・配管スペースの確保
空調機器から各部屋へ空気を運ぶためのダクトや配管を設置するスペースが必要です。既存の住宅では天井裏・壁内部などに余裕がない場合があり、工事が大掛かりになることもあります。
・コストの上昇
後付けで全館空調を導入するには、システム本体+ダクト工事+断熱追加補修などを含め、かなりの費用がかかることがあります。相場は100〜300万円前後、条件によってはそれ以上になる場合もあります。
・メンテナンスと故障リスク
システムが一つなので故障時には家全体の空調が一時停止するリスクがあります。また、フィルター交換やダクト清掃など、定期的なメンテナンスも必要です。
リノベーションで後付けできるのか?
既存住宅への後付けも可能とするシステムがあります。ただし、以下がチェックポイントです。
- 断熱補修を同時に行うこと
- ダクト設置可能な空間があること
- 構造との兼ね合いで工事が可能であること
- コスト・工期の見通しを明確にすること
後付け導入例では、工事見積もりに断熱補正費用が加わるケースが多く、断熱改修と併せて計画することが多いようです。
判断のためのチェックリスト
- 現在の断熱・気密性能は一定水準以上か?
- ダクト・配管スペースは確保できそうか?
- 初期費用とランニングコストを見積もれるか?
- 故障リスクへの対応策があるか?
- メンテナンス体制・保証体制は信頼できるか?
- 住まい方や生活スタイルに適合するか?
まとめ
全館空調は、快適性・空気質・温度ムラ軽減に優れたシステムですが、その効果を得るためには住宅自体の性能が十分でなければなりません。
導入を検討する際は、断熱補強・気密性向上・施工場所確保などを含めた総合的な設計が不可欠です。
次回予告
次回は「断熱リノベーションの費用相場を地域で調べる」をテーマに、静岡を含んだ地域別の費用目安と実例を紹介します。
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