
古い家で冬の日差し・夏の遮熱が設計されていなかった理由とは?
昔の住宅設計に潜む「断熱の盲点」…いま快適な住まいをつくるために見直すべきポイントとは
昔の住宅と今の住宅、何が違う?
築30年以上の住宅では、窓の配置や軒の出、断熱材の使い方など、「日差し」や「遮熱」に対する配慮が不十分なことが多く見られます。
そのため、冬は光が入らず寒く、夏は日差しが室内に容赦なく入り込み、2階がサウナのような環境になるケースも珍しくありません。
これは、かつての建築基準や生活スタイルが、今とはまったく異なっていたことが原因です。
なぜ日差しと遮熱が考慮されていなかったのか?
- 住宅性能への意識が低かった時代背景
高度経済成長期の住宅では、「量」を重視した家づくりが主流で、快適性や省エネ性への配慮は後回しにされていました。 - ガラスや断熱材の技術が未熟だった
当時は単板ガラスが主流で、断熱材も薄く、隙間風が当たり前という前提で設計されていたため、自然環境を防ぐ工夫は少なかったのです。 - エアコンやヒーターに頼る前提の設計
「寒ければ暖房」「暑ければ冷房」といった機械に頼る暮らしが浸透し、建物自体で温熱環境をコントロールする設計思想が乏しかったのです。
具体的にどんな不便が起きている?
- 冬の南面に窓が少なく、日中でも部屋が寒い
- 夏に西日が差し込み、夕方になると室温が急上昇
- 軒が短く、日差しを遮る工夫がない
- 窓の性能が低く、室内温度が外気に左右される
- 換気設計が不十分で、熱気がこもりやすい
このような構造的な問題は、いくらエアコンを強くしても解決しません。
むしろ光熱費ばかりがかかり、家計にも身体にもストレスとなります。
対策:現代の断熱設計で「冬は暖かく・夏は涼しく」
今の家づくりでは、次のような工夫が標準となっています。
- 南面に大きな窓+深い軒で冬の日差しを最大限に活用
- Low-E複層ガラスの採用で夏の遮熱・冬の断熱を両立
- 断熱材の厚みと気密性を高めて外気の影響をシャットアウト
- 日射遮蔽フィルムや外付けブラインドの導入
- 小屋裏換気や屋根遮熱材で2階の熱ごもり対策
これらを取り入れることで、機械に頼らず快適な室温をキープできる“パッシブデザイン”が実現できます。
リフォームで設計思想から見直すという選択
家の性能は、「建物の骨格」だけではなく「考え方」にも依存します。
断熱リフォームでは、単に窓を交換したり断熱材を入れるだけでなく、住まい全体の温熱設計を見直すことで、
根本的な改善が可能になります。
古い家の良さを残しつつ、現代の断熱技術を取り入れることで、
“懐かしさ”と“快適さ”を両立した理想の住まいが叶います。
まとめ
昔の家に不足していた「日射・遮熱」の設計配慮。
今の技術と知識でしっかりと補い、これからの快適な暮らしを手に入れましょう。
次回予告
将来、年を取って部屋の移動が辛くなることを考えて家の温度環境を改善したい理由とは?
高齢になってからも快適に暮らせる住まい設計のポイントをお伝えします。
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