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寝室だけ寒い?——“温度ムラ”が睡眠を浅くする本当の理由とは

こんばんは、かおり木工房のそうのです。
今日の静岡市は朝から気持ちのいい秋晴れでした。
昼は23℃まで上がり、過ごしやすい陽気でしたが、
夜になると一気に気温が下がり、12℃前後まで冷え込む季節の変わり目です。

そんな時期によく聞くのが、
「リビングは暖かいのに、寝室に行くと寒い」
という声。

実はこの“寝室だけ寒い家”、断熱等級6や7の高性能住宅でも珍しくありません。
しかもこの温度ムラ、睡眠の質にまで影響しているのをご存じでしょうか?

今日は、“なぜ寝室だけ寒くなるのか”の構造的理由と、
「深く眠れる温熱環境」をつくるための家づくりのポイントを解説します。


第1章|なぜ“寝室だけ寒い”と感じるのか?

家全体は同じ構造でも、寝室だけが冷えやすい——。
その理由は、部屋の役割と熱の流れにあります。

多くの寝室は北側や2階の隅に配置されます。
つまり、
・太陽の熱(取得日射)が少ない
・外壁に2面以上接していて放熱が大きい
・夜間に冷気が集中しやすい
こうした条件が重なり、他の部屋よりも早く温度が下がるのです。

さらに、寝室はリビングほど暖房を使わないため、
“蓄熱”ができない構造になっています。
昼間に暖められた空気が入らず、
夜になると冷気が壁と窓から侵入してしまう。

その結果、「家全体では暖かいのに寝室は冷たい」という体感差が生まれるのです。


第2章|“睡眠の質”は温度差に敏感

人は眠っている間、体温を1〜2℃下げて休息します。
ところが、部屋の温度が低すぎると体が冷え、
眠りが浅くなったり、夜中に何度も目が覚めてしまいます。

理想的な寝室の温熱環境は、

  • 室温:18〜20℃
  • 湿度:50%前後
  • 床表面温度:20℃前後

しかし、気密・断熱が不十分な家では、
夜間に床や壁の表面温度が15℃以下に下がることもあり、
その“放射冷却”が睡眠の質を大きく損ねます。

つまり、温度ムラのある家は、眠りの質まで奪う家でもあるのです。


第3章|“寝室だけ寒い家”に共通する3つの構造的欠陥

① 断熱のバランスが悪い

リビング中心で断熱を強化しても、
寝室の外壁や窓まわりの断熱処理が甘いと、そこから放熱します。
断熱材の種類よりも、“どこまで連続しているか”が重要。

私たちは、壁・天井・床の断熱ラインの連続性を重視しています。
1箇所でも欠けると、夜間にその部分から冷気が流れ込み、
体感温度が一気に下がります。


② 窓の性能が低い

寝室の窓は開閉を前提に軽量サッシを採用している場合が多く、
断熱等級の中で“穴”になりやすい部分です。

アルミ複合サッシやペアガラスでは、
冬の夜にガラス面温度が10℃以下に下がり、
壁際やベッド周りに冷気が降りてきます。

かおり木工房では、樹脂サッシ+トリプルガラスを標準化し、
窓際でも20℃前後を維持。
結露も防ぎつつ、冷えを感じさせない環境を実現しています。


③ 空気が動いていない(換気と気流の欠陥)

寝室が寒い家では、空気の流れが止まっていることが多いです。

暖房をリビングに集中させると、
温かい空気が上に溜まり、
廊下や寝室には届きません。

松尾式全館空調では、
家全体の空気をゆるやかに循環させることで、
寝室もリビングと±1℃の温度差を維持します。


第4章|“PMV理論”で考える快眠の温熱環境

快適性の指標として使われるPMV(Predicted Mean Vote)
これは、人が「暑い」「寒い」と感じる平均的な感覚を数値化したものです。

PMVが「0」に近いほど快適。
PMV=+1(やや暑い)なら約25%の人が不快、
PMV=-1(やや寒い)でも同じく約25%が不快になります。

寝室環境で理想的なのは、
PMV=-0.3〜0.0(ほんの少し涼しい〜快適)
この範囲を保てる家は、温熱設計が優れています。

私たちは実際の現場でPMV計算を行い、
“数値ではなく体感で快適”な寝室づくりを実現しています。


第5章|寝室の温度ムラをなくす設計ポイント

  1. 南面・西面に接する外壁の断熱を強化
     → 特に2階の外壁は、放射冷却で急激に冷えやすいため要注意。
  2. 床下空調で上下の温度差を解消
     → 基礎断熱構造により、寝室の床温度を安定化。
  3. 一種換気で空気を常に動かす
     → 熱交換しながら新鮮空気を取り込み、湿度と温度を一定に保つ。
  4. 素材選びで“冷え”を抑える
     → 壁は珪藻土・床は無垢材など、熱容量の高い素材で放射温度を高める。

第6章|「体の冷え」と「家の冷え」はつながっている

寝室の寒さは、体の冷えに直結します。
体が冷えると副交感神経の働きが乱れ、
深い眠り(ノンレム睡眠)が短くなることが研究でも分かっています。

その結果、
・朝起きたときのだるさ
・肩こりや頭痛
・寝汗
といった症状が出やすくなります。

つまり、“寝室の温熱設計”は“健康設計”でもあるのです。


第7章|かおり木工房が提案する「快眠住宅」の仕組み

かおり木工房では、
松尾式全館空調Ver3+C値0.3以下+高断熱構造を組み合わせた
「体感をデザインする家」を提案しています。

実測データでは、外気温10℃でも
寝室・廊下・リビングの温度差はわずか±1℃以内。
夜中にエアコンを切っても、朝まで20℃前後を維持します。

また、壁内結露ゼロを保証する構造で、
湿気による冷え感も発生しません。


第8章|まとめ|“寝室だけ寒い家”は「設計が止まっている家」

断熱や気密の数値だけを上げても、
温度ムラはなくなりません。

大切なのは、空気の流れと熱の動きを設計すること。
寝室だけ寒い家は、
「空気が止まっている家」でもあります。

快眠できる家とは、
数字でなく、体が“自然にリラックスできる温度”を保てる家。

かおり木工房では、
「太陽に素直な設計」×「空気を科学する構造」で、
一年を通して心地よい睡眠環境をつくっています。


賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」

住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市

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