BLOG

ブログ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 宗野社長
  4. 空気の流れは思い通りにならない──三種換気の幻想と一種換気の真実とは

空気の流れは思い通りにならない──三種換気の幻想と一種換気の真実とは

こんばんは、かおり木工房のそうのです。

家づくりを検討されているお客様からよくいただく質問のひとつが、
「換気システムは三種で十分ですか?それとも一種換気がいいんですか?」というものです。

住宅の換気は、実は暮らしの快適性と健康を左右する大きなポイント
ところが意外にも、「換気=空気が入れ替わる」という単純なイメージで選んでしまう方が多く、そこに落とし穴があります。

なぜなら──空気は人間が思った通りには流れないからです。

今日は、三種換気と一種換気の違いを、静岡の気候条件や実測データを交えながら、徹底的に解説していきます。


■ 三種換気とは?──“吸うだけ”の仕組み

まず、三種換気について整理しましょう。

第三種換気(以下、三種換気)は、排気のみを機械で行い、給気は自然に任せる方式です。
具体的には、トイレや浴室、キッチンの換気扇で空気を外に出し、その分の外気が壁に設けた給気口から入ってきます。

メリット

  • シンプルな仕組みで導入コストが安い
  • 故障リスクが少ない
  • 建売住宅やローコスト住宅で標準的に採用されやすい

デメリット

  • 外の湿気やホコリ、花粉をそのまま取り込んでしまう
  • 外気温の影響をダイレクトに受ける(夏は熱気、冬は冷気)
  • 風向きや気圧差によって空気の流れが不安定

つまり、三種換気は「空気を動かす力が一方通行」。
給気のコントロールができないため、計画通りの空気の流れがつくりにくいのです。


■ 空気は“思い通りに流れない”

設計図面上では「この給気口から空気が入って、この排気口から出る」と想定されます。
しかし現実には、外の風圧・室内外の温度差・気密性能によって、空気は全く違う動きをしてしまいます。

例えば、

  • 外が強風のとき:給気口からではなくサッシの隙間から空気が侵入
  • 無風のとき:給気がほとんど入らず、換気が成立しない
  • 湿度の高い夏:外気の湿気がそのまま入り込み、家の中がベタつく
  • 冬の放射冷却:冷気が直接侵入し、脱衣室や寝室が底冷え

このように、「空気は設計者の思う通りには流れてくれない」のが現実です。

三種換気は、あくまで「換気扇で空気を出せば自然に入ってくるだろう」という前提に依存しています。
しかし実際には、湿気や花粉まで一緒に“招き入れている”のです。


■ 三種換気の幻想と現実

三種換気を導入した家に住んでいる方からよく聞く声があります。

  • 「春になると家の中でも花粉症の症状が出る」
  • 「梅雨時期は家の中がジメジメする」
  • 「窓を閉めているのにカビ臭い」

これらはすべて、給気をコントロールできない三種換気の弱点から来ています。

「換気扇を回している=空気がきれいになっている」と思いがちですが、
実際には「汚れた空気もそのまま吸い込んでいる」ことが多いのです。


■ 一種換気とは?──“入れる空気もコントロールする”

一方で、一種換気は給気も排気も機械で制御する方式です。

熱交換型の第一種換気を導入すれば、外気を取り入れる際に室内の熱と交換し、冷暖房のエネルギーロスを最小限に抑えます。

さらに、フィルターを通してから新鮮な空気を室内に送り込むため、

  • 花粉・PM2.5・ホコリを除去
  • 湿気の侵入を抑制
  • 設計通りのルートで空気が循環

これにより、空気の質そのものを設計できるのです。


■ 健康面からの比較

温度差

  • 三種換気:リビングと廊下、脱衣室の温度差が大きく、ヒートショックのリスクが高い
  • 一種換気:家全体が均一な温度に近づき、体への負担が少ない

空気の清浄性

  • 三種換気:外気をそのまま取り込むため、花粉やPM2.5が侵入
  • 一種換気:フィルターで除去してから給気するため、空気がきれい

湿度管理

  • 三種換気:梅雨や夏は湿気が入り、冬は乾燥しやすい
  • 一種換気:湿度をコントロールしやすく、カビ・ダニのリスクを軽減

■ 静岡の気候と換気の相性

静岡は、夏は高温多湿で梅雨が長く、冬は放射冷却で底冷えします。
この気候においては、三種換気のデメリットが如実に現れます。

  • 梅雨時期:外気の湿気が侵入 → 家の中がジメジメ → カビ発生
  • :ベタついた外気が侵入 → 冷房効率低下 → 電気代が高騰
  • :冷たい外気が侵入 → 脱衣室や寝室が底冷え → ヒートショックの危険

一種換気なら、フィルターと熱交換を通して空気をコントロールできるため、これらの問題を解消できます。


■ 全館空調との組み合わせが最強

かおり木工房では、一種換気と松尾式全館空調を組み合わせています。

  • 温度差がほぼゼロの室内環境
  • 湿気を抑えたサラッとした空気
  • 花粉症やアレルギーに悩むご家族でも安心できる空気環境

「ただの換気」ではなく、健康を守る換気システムとしてご提案しています。


■ 実際のお客様の声

  • 「以前の家(三種換気)では、梅雨時期に部屋干しするとジメジメして乾かなかった。新しい家ではカラッと乾く」
  • 「春の花粉がひどくて、窓を閉めても家の中でくしゃみが止まらなかった。でも今はフィルターのおかげで症状が和らいだ」
  • 「冬の脱衣室が寒くないので、子どもをお風呂に入れるのが楽になった」

数字だけでは伝わらない、暮らしの質の違いを実感していただいています。


■ まとめ

  • 三種換気はコストは安いが、空気の流れをコントロールできず、湿気や花粉をそのまま取り込む
  • 「空気が動いている」ように見えても、実際には滞留や侵入が起きている
  • 一種換気は給気も排気も制御し、空気の質を設計できる
  • 静岡の高温多湿・底冷えの気候には、一種換気+全館空調が最適解
  • 健康・快適・家の耐久性を守るためには、数字だけでなく“仕組み”を理解して選ぶことが大切

家は「空気の箱」と言われるほど、室内環境が暮らしを左右します。
だからこそ、換気を甘く見ないこと
そして「思った通りに空気は流れない」という現実を前提に、確実にコントロールできる仕組みを選んでいただきたいのです。

かおり木工房は、断熱等級7・C値0.3以下の性能と、一種換気+松尾式全館空調を組み合わせ、静岡の気候に合った本当の快適住宅をお届けしています。

それでは、また。


かおり木工房SNSでは、家づくりに役立つ情報を発信しています。ぜひご覧ください。

賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCV2CLl-P_j80GPTuVRLMXpQ
Instagram:https://www.instagram.com/kaorigikoubou/
LINE:https://page.line.me/107aufgi?openQrModal=true
TikTok:https://www.tiktok.com/@kaorigikoubou