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築20年の家でもC値1.0は目指せる?

築20年の家でもC値1.0は可能。

断熱リノベ+気密改修で“すきま風のない暖かい家”を再生。

静岡の実例で学ぶ、快適で省エネな家づくり。

こんばんは、かおり木工房のそうのです。
静岡市は朝10℃台前半、日中は20℃近くまで上がり、穏やかな秋晴れとなりました。
空気が乾いてくるこの時期、家の中で「すきま風」や「足元の冷え」を感じ始める方も多いのではないでしょうか。

実はこの「すきま風」、家の気密性能=C値(シーチ)に深く関係しています。
今日は、築20年を超えた住宅でも「C値1.0」を実現できるのか?
そして、断熱リノベで“気密を取り戻す”ためのポイントを、実測データを交えながらお話しします。


第1章|C値とは? たった1mmの隙間が家を冷やす

C値とは、「建物のどれくらい隙間があるか」を表す数値で、
“相当隙間面積(cm²/m²)”=家の1㎡あたりにどれだけ穴が空いているかを示します。

たとえば、C値が5.0というのは、延床30坪(約100㎡)の家で
500cm²=はがき3〜4枚分の穴が空いている計算。
このわずかな隙間から、冷たい外気が流れ込み、温めた空気が逃げていきます。

静岡の冬は短いですが、放射冷却で朝方の冷え込みが厳しくなるため、
C値が悪い家では、朝起きた時にリビングが12℃以下になることも珍しくありません。


第2章|築20年の家のC値は平均5.0以上

2000年代前半の住宅は、まだ「気密性能」への意識が今ほど高くありませんでした。
施工マニュアルにも「気流止め」「気密テープ」などの記載が少なく、
断熱材の隙間、天井裏や床下の貫通部から空気が出入りしているケースが多い。

実際、かおり木工房が静岡市内で行った改修前測定では、
・築18年木造住宅:C値5.8
・築22年2階建て住宅:C値6.3
・築25年平屋住宅:C値7.1
という結果でした。

この数値だと、24時間換気が計画どおりに働かず、
“汚れた空気がよどむ家”になってしまいます。


第3章|C値1.0を実現する3つのステップ

「古い家だから無理」ではありません。
断熱リノベの際に、正しい手順を踏めば、C値1.0以下を目指すことができます。
そのための3つのポイントをご紹介します。

1. 漏気ポイントを見える化する

気密測定器を使って、家の中を負圧にして空気の流れを調査します。
サーモカメラやスモークテスターで“どこから漏れているか”を特定。
多いのは、
・天井の照明周り
・コンセントボックス
・窓枠の下端
・1階天井の配管貫通部
などです。

2. 気密シート・気流止めで物理的に封鎖

壁・天井・床のラインを連続気密化。
可変透湿気密シート(かおり木工房では「タイベック VCLスマート」)を使用し、
内部結露を防ぎながら、季節に応じて湿気を調整します。
この施工だけで、C値が5.0→1.2まで改善した例もあります。

3. サッシの交換で漏気率を激減

窓周りの隙間は気密劣化の最大要因。
既存サッシを樹脂サッシ+Low-E複層ガラスに交換することで、
空気漏れを約80%カットできます。
この工事は断熱改修とセットで行うと効率的で、
結果として「断熱等級6」クラスの性能が再現可能です。


第4章|気密が良くなると、なぜ“暖かい家”になるのか

C値が良くなる=空気が逃げない。
すると、暖房で温めた空気が壁の中や床下へ逃げず、
熱損失が20〜30%減少します。

しかも、空気の流れが一定になることで、
家全体の温度ムラが小さくなり、
“足元が冷える”“天井だけ暑い”といった不快感がなくなります。

さらに、気密性が上がると換気計画が正確に働き、
外気のホコリや花粉もコントロール可能に。
松尾式の一種換気システムと組み合わせれば、
空気清浄機レベルの清浄度が全室で保てます。


第5章|C値を上げすぎると息苦しくなる?という誤解

「気密が良すぎると息苦しい」という質問をよく受けます。
しかし、それは正しい換気設計がない家の話

気密が高いほど、
換気経路がコントロールできる=空気が計画的に流れる家になります。
むしろC値が悪いと、
外気がランダムに出入りしてCO₂濃度が高くなり、
“こもった空気”が残るのです。

つまり、C値を上げるほど呼吸しやすい家になる。
これが、松尾式全館空調+一種換気の思想でもあります。


第6章|築20年住宅を「C値1.0」にした静岡市の実例

静岡市葵区・築22年の木造住宅。
もともとのC値は6.3。
断熱材をグラスウール20Kに交換し、
気密シート・コンセントパッキン・サッシ交換を実施。
結果、C値0.9を達成しました。

測定時、家全体での漏気量は施工前の7分の1
エアコン1台の全館空調でも冬場の室温は18〜20℃をキープ。
以前よりも電気代が月6,000円下がり、
体感温度も大きく改善しました。


第7章|気密改修で得られる5つの効果

  1. 光熱費が年間約20〜30%削減
     隙間から逃げる熱損失を抑えることで、省エネ性が向上。
  2. 温度ムラがなくなる
     リビング・廊下・脱衣室の温度差が2〜3℃以内に。
  3. 空気がきれいになる
     一種換気+高気密で、花粉・PM2.5の侵入を防ぐ。
  4. 結露・カビの発生を防止
     気流止めにより壁内の湿度を安定化。
  5. 住宅の寿命が延びる
     内部結露を防ぐことで、構造材の劣化を抑える。

まとめ|“気密”を取り戻せば、家はまだまだ進化する

築20年の家でも、正しい改修でC値1.0は十分可能。
気密は、断熱や換気と同じく「家の呼吸器官」です。
小さな隙間を見直すだけで、
家全体の性能が劇的に変わります。

“古い家だから仕方ない”ではなく、
“もう一度、家を進化させる”という考え方が大切です。


賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市

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