老後に備えた“温度バリアフリー”な家のつくり方とは
見えない「温度の壁」が暮らしを脅かす
年齢を重ねると、段差や階段といった“物理的なバリア”だけでなく、目には見えない“温度のバリア”が生活に影響を及ぼします。
- 夜間のトイレ移動が寒くてつらい
- 冬場の廊下が冷え切っていて足がすくむ
- 暖房の効いた部屋から出たくない
このように、温度差による不快感や危険性が、高齢期の暮らしを制限しているのです。
そこで注目されているのが、「温度バリアフリー住宅」。高齢になっても快適・安全に暮らすための、“室温の段差をなくした住まい”です。
この記事では、その実現に向けた断熱設計・間取り・設備の工夫を、事例を交えて詳しく解説します。
温度バリアフリーとは?
温度バリアフリー住宅とは、家のどこにいても室温の差が少なく、身体への負担が小さい住まいのことです。
【主なメリット】
- ヒートショックの予防
- 夜間移動や入浴時のストレス軽減
- 冷暖房費の削減
- 健康寿命の延伸
温度の不快感がなくなることで、「家の中のすべての場所が心地よく、安全な空間」へと変わるのです。
温度バリアを解消する3つの基本方針
1. 全面断熱と気密化の強化
- 壁・床・天井に高性能な断熱材を使用
- 断熱等級6〜7を目指す施工で、外気の影響を最小限に
- 窓はトリプルガラス・樹脂サッシを採用
- 玄関ドアも断熱仕様に交換
断熱と気密のバランスが整うことで、家全体の室温が安定します。
2. 室温を均一に保つ空調設計
- 全館空調または床下エアコンを導入
- 室内に温度ムラが生じないよう、気流と換気の計画を最適化
- 個室にも温風が届くよう、空気の流れを考慮した間取り設計
エアコン一台で家中を快適に保てる設計が、理想の温度バリアフリーです。
3. 暖冷房の補助設備の活用
- 床暖房・蓄熱式ヒーターで足元からじんわり暖かく
- 人感センサー付きヒーターをトイレや脱衣所に設置
- 吹き抜けや階段周りの温度差にも、吹き出し口やサーキュレーターで対応
こうした設備で、寒さによる移動の不安を解消します。
設計段階から考える「温度のバリアフリー」
高齢期に安心して暮らすには、設計そのものを“温度中心”で考えることが重要です。
【おすすめの設計要素】
- 平屋または1階完結型の間取り(2階を使わず生活が完結)
- トイレ・脱衣所・浴室を一直線の動線にまとめる
- 寝室とリビングを隣接させ、夜間移動の温度差を最小に
- 外部からの冷気を遮断する玄関ホール断熱強化
- 勝手口・土間収納にも断熱施工
これらは将来の介護にも対応しやすい住まいづくりとして注目されています。
かおり木工房の実例に学ぶ温度バリアフリー
静岡市のN様邸(60代夫婦・築30年の木造住宅をリノベーション)では、
- 断熱等級6+床下エアコン1台で全館暖房を実現
- トイレ・浴室・脱衣所を一直線の温度統一ゾーンに
- トリプルガラスと内窓併用で窓際の冷気をゼロに
- 無垢材と自然素材で体に優しい空気環境を構築
「冬でも朝起きてすぐ動ける」「どこにいても寒くない」と大変満足いただいています。
老後に向けた住まい改修は“温度”から始める
温度差による不調は、自覚がなくとも着実に体力を奪っていきます。だからこそ、見えない温度の段差をなくすことが、老後の暮らしを守る重要な要素なのです。
- お子様世代と安心して同居できる二世帯住宅へ
- ペットと快適に過ごす暖かな室内環境に
- 介護や病後も自宅で安心して過ごせる設計に
「温度のバリアフリー」は、未来のあらゆる暮らし方に対応する土台になります。
賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
〒420-0911
静岡県静岡市葵区瀬名川1丁目27−53
営業時間:10:00〜17:00
TEL:054-261-2807
社長直通:090-6587−4713 (「HPを見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市
次回予告:「介護される立場になっても快適な住環境を」
誰しもがいつか介護を受ける立場になるかもしれません。次回は、自立を支えながら快適に過ごせる住環境の整え方を、温熱設計と動線計画の視点からご紹介します。

















































