
耐震補強も一緒にやるべきか検討する意味とは
断熱リノベと同時施工するメリットと注意点
断熱力だけでは守れない“地震リスク”
断熱リノベーションで住まいの快適性を高めても、地震への備えが弱ければ安心は得られません。
とくに古い住宅や旧基準で建てられた家では、耐震性能に不安があることが多く、断熱と一緒に耐震補強を行う選択肢が注目されています。
この記事では、耐震補強の必要性、施工方法、断熱リノベとの同時施工のメリット・注意点をまとめます。
耐震補強の基本と必要性
なぜ耐震補強が必要か
- 古い建築基準(1981年以前)で建てられた住宅は、強い地震に対して耐力が不足している可能性が高い
- 建物の劣化、シロアリや腐朽、木材のひび割れなどが構造性能を弱める
- 開口部(窓、壁抜き)、増築履歴などで「耐力壁のバランス」が崩れていることがある
こうした要因がある家では、断熱性能を上げたとしても、耐震補強を無視できないリスクがあります。
耐震補強の基本工法
代表的な補強方法には以下のような方式があります:
- 筋交いの追加・強化:壁の補強を行い、水平力に耐える力を向上
- 耐力壁の追加:構造的に有利な位置に補強壁を設置
- 補強金物・接合強化:柱・梁・土台などの接合部を金物で強化
- 外付け補強(ブレースや鉄骨フレーム補強):外壁に補強フレームを取り付ける方法
- 制震・免震要素の導入:揺れを吸収・緩和する装置を用いるケース(より高度)
住宅の構造や状態に合わせて、複数の補強方式を組み合わせることが一般的です。
耐震補強工事は、専門の構造設計・診断が不可欠です。
断熱リノベと併用するメリット
- コストの効率化
断熱と耐震を同時に行えば、解体・足場・養生・内装復旧などの共通部分をまとめられ、工事重複を減らせます。
実際、リフォームと同時に耐震補強を行うことで、コスト削減につながるケースが多いといわれています。 - 施工時期の最適化
断熱改修で内部外装を一度開けるタイミングで補強を組み込めば、手間や住みながらの影響を抑えられます。 - 性能の相乗効果
断熱で温熱環境を整えつつ、耐震で安心を確保することで、長期にわたる資産価値向上につながります。
注意点・リスクと対策
- 補強を追加することで壁量や開口部の兼ね合いが変わるため、設計が複雑になる
- 重量負荷が増える場合、基礎の補強が必要になることも
- 耐震補強の仕様・金物などは性能保証や品質が伴わないケースを避ける必要
- 実施タイミングを誤ると、断熱施工に支障をきたす工程干渉も起こり得る
特に、断熱リノベとの組み合わせでは、構造診断 → 補強設計 → 断熱設計 → 工事スケジュールの順で慎重に検討することが重要です。
費用目安と実例
- 壁補強のみ:20万円~
- 接合部強化:30万円~
- 外付け補強+構造補正:50〜100万円以上
- 総合リノベーション+補強:数百万円規模になるケースも
例として、壁の耐力不足を補う筋交い追加工事は20万円台前後からスタートすることが報告されています。
また、断熱リノベ中に構造を補強しながら仕上げを同時に行う事例も紹介されています。
判断のためのチェックリスト
項目 | チェック内容 |
---|---|
建築年・基準 | 1981年以前かどうか? |
耐震診断 | 既存耐力壁・構造強度の診断が行われているか |
補強方式 | 筋交い・耐力壁・金物補強等の選択肢が設計されているか |
設計者 | 構造設計士の確認があるか |
併用設計 | 断熱設計・気密設計と整合性がとれているか |
コスト見通し | 補強+断熱の見積もりが明確か |
工事スケジュール | 補強 → 断熱 → 仕上げの順番に矛盾がないか |
まとめ
断熱リノベーションをご検討中なら、できれば耐震補強も視野に入れてご検討ください。
安心と快適性を両立した住宅づくりは、これからの暮らしを支える大切な選択です。
次回予告
次回は「リノベ会社/工務店の実績を比較(断熱ケーススタディ含む)」をテーマに、信頼できる施工会社選びの視点をご紹介します。
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