
高断熱なのに朝が寒い?その“見えない原因”を解く
こんばんは、かおり木工房のそうのです。
静岡市は今日一日どんよりした曇り空。
日中は20度前後ありましたが、朝方はぐっと冷え込みましたね。
「半袖ではもう無理かな」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この季節になると、お客様からよくいただくのがこんな声です。
「断熱等級6の家なのに、朝起きた時に寒いんです」
「夜は快適なのに、朝は冷気が降りてくる感じがする」
実はこの“朝だけ寒い”という現象、断熱性能そのものの問題ではなく、設計・気流・運転方法が関係していることが多いのです。
今日はその原因と、私たちが現場で行っている“冬の朝を暖かくするための3つの設計視点”をお話しします。
第1章|「断熱性能」だけでは快適は決まらない
まず多くの方が誤解しがちなのが、「断熱等級6だから暖かいはず」という思い込みです。
たしかに、UA値0.26や断熱等級7の家は熱の逃げにくさではトップクラスです。
しかし、“暖かさの感じ方”を左右するのは、熱の移動だけではなく、空気の流れです。
たとえば夜間、床付近の空気は外気に冷やされて滞留します。
断熱性能が高い家ほど“隙間がない”ため、この冷たい空気が逃げずに床近くにたまるんです。
その結果、朝一番に立ち上がった時に「足元がひんやり」と感じる。
つまり——
高断熱住宅ほど、空気の流れ(気流設計)を意識しなければ“温度のムラ”が出る。
これが、朝の寒さを感じる一番の原因なんです。
第2章|「夜の熱」が残らない家の共通点
次に多い原因が、夜間の熱の“逃げ方”です。
寝る前にリビングを25℃にしても、朝には20℃を切る…そんな家、意外と多いです。
この“夜の熱ロス”を起こす家には、ある共通点があります。
それが「窓と換気の位置関係」です。
夜間、外気温が下がると最初に冷えるのはガラス面。
内窓を設けていない場合、ガラス面で冷やされた空気が下に落ち、床に冷気が溜まります。
そして、暖房を止めた後もその冷気が循環しにくいまま、朝まで残ってしまう。
私たちかおり木工房では、松尾式全館空調を採用し、
「床下で暖気を作り、ゆっくり循環させる」ことで、
夜の熱を建物全体に蓄えていく設計をしています。
この方式だと、夜の暖房をOFFにしても翌朝の床温度が20℃近くをキープ。
つまり「朝まで暖かい」を実現できるわけです。
第3章|「気密C値0.3以下」が意味する本当の快適性
C値(相当隙間面積)は、1.0以下であれば高気密とされています。
しかし、私たちはC値0.3以下を当たり前の基準としています。
なぜか?
それは、“気密性能”が高いほど、熱と空気のコントロール精度が上がるからです。
たとえばC=1.0の家では、
24時間換気の設計通りに空気が流れず、
せっかく暖めた空気が外に逃げたり、冷気が床下から入り込んだりします。
逆にC=0.3の家では、
“空気の出入り”が完全に制御できるため、
小さなエアコン1台で家全体の温度を一定に保てます。
これは「光熱費の節約」以上に、
“朝の寒さ”というストレスを根本からなくすために不可欠な要素なんです。
第4章|「朝の寒さ」は体にとって最大のリスク
少し話を変えます。
静岡県は実はヒートショック事故の発生率が全国3位。
冬の朝、トイレや脱衣室で急に温度差にさらされることで、
心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが高い地域です。
つまり“朝の寒さ”は、
快適性だけでなく命に関わる問題でもある。
だからこそ、私たちは
「温度差をなくす=家族の健康を守る」
という設計思想を全館空調と高気密施工に込めています。
第5章|冬の朝を暖かくする「3つの実践ポイント」
最後に、すぐに実践できる3つのポイントを紹介します。
- 夜間の設定温度を下げすぎない
省エネ意識で22℃→18℃に下げる方が多いですが、
壁や床が冷えると翌朝の復温に余計な電力がかかります。 - 窓際に家具を置かない
空気の循環が止まり、冷気が溜まりやすくなります。
窓下には空気が通るスペースを確保しましょう。 - 24時間換気を止めない
“止めると寒い”と思ってスイッチを切る方がいますが逆効果。
換気が止まると湿度と温度が偏り、結露・カビの原因にも。
まとめ|“数字より感覚”を設計するのがプロの仕事
断熱等級7やC値0.3といった数字は、あくまで“性能の証明”です。
でも、暮らしの快適さは数字の先にあります。
朝起きて「寒くない」、夜に「ほっとする」、
その感覚を設計段階で作り込むことこそが、本当の家づくりです。
かおり木工房では、松尾式の考えを軸に、
“太陽に素直な設計”で冬暖かく夏涼しい家をつくっています。
もし今、「性能がいいはずなのに寒い」と感じている方は、
一度、空気の流れと気密のあり方を見直してみてください。
きっと、数字には見えない「答え」が見つかります。
賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
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