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21時でも外は17℃なのに家の中が寒い

体感温度を奪う家”の仕組みとは?

こんばんは、かおり木工房のそうのです。
今日の静岡市は、朝こそ冷えたものの、昼間は見事な秋晴れ。
最高気温は24℃まで上がり、現場でも半袖で作業できるほどの陽気でした。

夕方も穏やかで、21時の時点でも気温は17℃。
「外はそこまで寒くないのに、家の中がひんやりする」
——そんな違和感を覚えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実はこの“外より家の中が寒い”現象、
家づくりを考えるうえで見逃してはいけないサインです。

今日は、気温が高いのに「体感的に寒い家」が生まれてしまう理由と、
かおり木工房が実践する“体感温度をデザインする家づくり”についてお話しします。


第1章|「気温17℃なのに寒い」のは“空気の温度”ではなく“体感温度”の問題

まず知っておいてほしいのは、
「気温=快適」ではないということ。

人が感じる「暖かい」「寒い」は、
以下の4要素で決まります。

  1. 室温(空気温度)
  2. 表面温度(床・壁・窓の温度)
  3. 気流(空気の流れ)
  4. 放射(周囲の熱の反射)

たとえば、外が17℃でも、
家の床・壁・窓が15℃しかなければ、
人の体は“その温度”を感じ取って寒く感じます。

これは、まるで「底冷えする床に立っている」ような状態。
つまり、空気よりも“建物が冷たい”ことが寒さの原因なのです。


第2章|「夜は寒い家」の本当の原因——“表面温度の低下”

断熱性能が高くても、
壁や床の表面温度が下がっていれば体感温度は低下します。

表面温度は、外気に触れる部分(壁・床・窓)が
どれだけ“熱を逃がしているか”で決まります。

とくに次の3点が影響します。

  • 窓まわりの放熱
     → 夜になると窓ガラスが外気温に近づき、表面が冷える。
  • 床下の冷気
     → 外気扱いの床下が冷え、床表面温度を下げる。
  • 天井裏の断熱不足
     → 放射冷却で屋根から熱が奪われる。

これらのどれか1つでも弱点があると、
“家全体の放熱バランス”が崩れ、夜になると冷たく感じるのです。


第3章|「室温22℃でも寒い家」に共通する3つの構造

① 熱の逃げ道がある(断熱ラインの途切れ)

断熱材の厚みよりも、“どこで切れているか”が重要です。
配管や窓の取り合い部、コンセント裏、梁まわり。
このような“点”の隙間が、室内の熱を外に伝えます。

かおり木工房では、
施工後に赤外線カメラで熱画像をチェックし、
断熱ラインの連続性を全棟で確認。
小さな隙間も許さないことで、夜間の冷え込みを防ぎます。


② 窓の断熱性能が足りない

「窓から熱が逃げる」ことは、家づくりの中でも最も大きな損失です。
冬場、熱損失の約50%が窓から。

夜になると、窓の表面温度が10℃近くまで下がることもあり、
それが部屋全体の放射温度を下げてしまいます。

私たちは樹脂サッシ+トリプルガラスを標準採用し、
さらにサッシ周囲に断熱補強を行うことで、
窓際でも18〜20℃を保つ設計をしています。


③ 床下の構造が“外気扱い”になっている

夜、足元が冷える家では、
床下に外の冷気が侵入しているケースが多く見られます。

一般的な「床断熱工法」では、
床下が外気とつながっており、
その冷たい空気が床材の裏まで伝わります。

基礎断熱+床下空調にすることで、
床下を“室内と同じ空間”に保ち、
夜でも床表面温度を20℃前後に維持できます。


第4章|“気密”を高めると、体感が3℃変わる理由

気密性能(C値)は、
「家の中にどれだけの隙間があるか」を示す指標。

C値1.0の家とC値0.3の家では、
同じ室温でも体感温度に2〜3℃の差が出ます。

なぜなら、気密が低いと、
冷たい外気が壁内や床下に入り込み、
“内側から冷やす”現象が起きるからです。

かおり木工房では全棟C値0.3以下
熱の逃げ道を物理的に断つことで、
外気が17℃あっても、室内は穏やかな20℃前後をキープできます。


第5章|「外より家が冷たい」家は“熱容量”が足りない

もうひとつの見逃せない要素が、
家の熱容量(蓄熱性)です。

断熱がどれだけ良くても、
床・壁・天井が熱を“蓄える素材”でなければ、
昼に得た熱が夜まで続きません。

たとえば、
ビニールクロスや薄い合板フローリングは、
太陽光の熱を吸収しても、すぐ放熱してしまいます。

逆に、無垢の木・珪藻土・塗り壁・タイル床などは、
太陽のぬくもりをゆっくり蓄えて放出するため、
夜になってもほんのり暖かい。

かおり木工房では、
素材そのものが熱を“抱えられる家”を目指しています。


第6章|「空気が止まる」と家は冷える

雨の日や無風の夜、
「なんだか空気が重たい」「室温の割に冷たい」
——それは、空気が循環していない証拠です。

暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まる。
この上下の差をなくすには、“気流の設計”が必要です。

松尾式全館空調Ver3では、
床下エアコンと小屋裏エアコンを併用し、
上下の空気を“静かに混ぜる”ことで温度差をなくします。

夜21時の外気温が17℃の日でも、
リビング・寝室・廊下の温度差は±1℃以内。
“家全体が一枚の空気”で包まれるような快適性が実現します。


第7章|“暖かさを逃がさない家”に必要な3つの条件

  1. 熱を逃がさない構造(断熱ラインの連続性)
  2. 空気を動かす仕組み(全館空調・換気設計)
  3. 素材が熱を蓄える設計(無垢材・塗り壁)

これらがそろうと、
外気が17℃でも、家の中は22〜23℃を維持。
冷えも結露も起きません。


第8章|数字ではなく“体感”で家を測る時代へ

UA値やC値は大切ですが、
本当に大事なのは、数字が生む“暮らしの質”です。

昼間24℃のぬくもりを夜まで残す。
外が17℃でも、素足で歩ける床温度を保つ。
それが、私たちが考える“性能の目的”です。

家は機械ではなく、人の感覚で暮らす場所。
体感温度まで設計することこそ、
本当の「高性能住宅」だと思っています。


まとめ|気温より“空気と素材”を設計する家が強い

21時でも外は17℃。
それなのに家の中が寒いのは、断熱不足ではなく設計の問題です。

気密・換気・蓄熱・空気設計。
この4つが整えば、
外気に左右されない「穏やかな室内」が生まれます。

かおり木工房では、
「太陽に素直な設計」×「空気を動かす構造」で、
数字では測れない“体感の暖かさ”をお届けしています。


賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」

住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市

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