
その玄関、本当にその場所でいいですか? 〜位置ひとつで変わる快適性と防犯性〜
こんばんは、かおり木工房のそうのです。
先日、お引き渡し前の施主様検査で
「玄関って、思った以上に暮らしに影響するんですね」
というお声をいただきました。
この“玄関の位置と設計”、
実は家づくりの後悔ポイントでも上位に入るほど重要なのに、
意外と深く考えられていないのが現実です。
今日は、「その玄関、本当にその場所でいいですか?」というテーマで、
暮らしやすさ、防犯、夏の暑さまで含めてお話しします。
玄関の“位置”が暮らしを決める
日本の住宅は長らく、「道路に対して正面に玄関」が定番でした。
でも現代の暮らしでは、それがストレスや使いにくさ、防犯リスクにもつながるケースがあります。
たとえば、こうした例があります。
- 玄関が道路側にあり、通行人から中が丸見えになる
- 帰宅してすぐリビングに入るため、来客と鉢合わせする
- 南側に玄関を取ったせいで、LDKが北向きになり寒い
- ゴミ出しの動線が遠回りになっている
- 西向き玄関が午後になると暑くなり、ドアが熱くて触れない
これらはどれも、実際の後悔として耳にした事例です。
玄関設計で見落としたくない5つの視点
1. 誰のための玄関かをはっきりさせる
来客のためなのか、毎日使う家族のためなのか。
年に数回しか使われない来客玄関のために不便な動線を組んでしまうのは本末転倒です。
毎日使う人が使いやすく、安心できる配置を優先することが基本です。
2. 玄関は通過点ではなく生活空間である
玄関には、靴の脱ぎ履きや荷物の仮置き、ベビーカーの収納、郵便物の受け取りなど、さまざまな機能が求められます。
スペースに余裕があるだけで、日々のストレスは大きく軽減されます。
見た目のデザインよりも、暮らしのリアルを重視した設計が求められます。
3. 玄関ドアの向きは暑さ寒さに直結する
静岡のような温暖地では、西向き玄関は非常に暑くなりやすく、午後の日差しでドアや玄関収納が焼けるような状態になります。
一方で北向き玄関は冬に冷え込み、結露が発生しやすいため、断熱性や気密性の確保が不可欠です。
方位ごとの特徴を理解しておくことが必要です。
4. 見せる玄関と隠す玄関を使い分ける
来客用と家族用を分けた二つの動線を設けることで、暮らしの自由度がぐっと上がります。
来客にはすっきりとした玄関を見せ、家族は収納や洗面を通る裏動線からリビングへ。
動線の工夫で、日々の快適さと来客時の安心感を両立できます。
5. 敷地全体の抜けや風通しを読む
図面だけで玄関の位置を決めると、後から思わぬ視線や風の流れに悩まされることもあります。
実際の土地に立って、周囲の建物や道路、時間帯による日照や視線の抜けを読み取ることが大切です。
間取りは敷地の読み取りから始まります。
防犯性に直結する「死角」をつくらない
玄関は、使いやすさだけでなく、防犯の面からも重要な要素です。
とくに玄関が見えづらい位置にある場合、泥棒が隠れやすくなる「死角」になりやすいのです。
よくある危険な例としては、
- ポーチ部分が深くて道路から視認しにくい
- 生垣や壁で外からの視線を完全に遮ってしまっている
- 家族が玄関に気づかない構造になっている
こうしたリスクを避けるには、
- 適度にオープンな位置に玄関を設ける
- センサーライトやカメラ付きインターホンを活用する
- 死角をつくらない外構計画をする
というような工夫が必要です。
玄関まわりの設計は、暮らしの快適性と安全性のどちらにも関わる重要なテーマです。
まとめ
玄関は単なる出入り口ではありません。
そこは家の印象をつくる場所であり、生活の始まりと終わりを支える空間です。
そして時に、防犯性や断熱性にも大きな影響を与える設計の“要”です。
玄関の位置は、間取り全体を左右します。
その一歩が快適であるかどうかが、日々の暮らしを大きく左右するのです。
かおり木工房では、性能だけでなく、動線、視線、空気の流れ、そして心理的な安心感まで考慮した設計を心がけています。
それでは、また。
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