
水回り全体を一新するメリットと注意点とは
〜キッチン・浴室・トイレ・洗面をまとめて改修する際のポイント〜
住宅の水回りは、キッチン・浴室・トイレ・洗面といった毎日使う設備群です。これらを個別に順次リフォームしていく方法もありますが、水回りをまとめて一新する(4点セットリフォームなど)ことには大きなメリットがあり、近年人気が高まっています。
ただし、一括で改修するためには工事規模や費用、生活への影響など注意すべき点もあります。この記事では、それらのメリット・デメリット、成功のコツ、事例、注意点を詳しく解説します。
1. まず、水回りすべてを改修するメリット
コストメリット(足場・仮設経費の削減)
複数箇所をまとめて工事すると、足場設置代や仮設設備、職人の出入りなどの共通コストを分散でき、総額を抑えられることが多いです。
リフォラボによると、戸建てでの4点セット改修の相場は 約200万円〜 として紹介されています。
時間・手間の集中化
個別に改修する場合、それぞれに仮設や準備が必要ですが、一度にまとめて行うとその分の準備・後片付けを省けます。
工期は長くなる可能性がありますが、作業の集中ができ、生活の変動を最小化できます。
デザイン・統一感の向上
各設備を別々に替えると見た目の統一性が崩れることがありますが、一括で改修することで色合いや素材を統一でき、空間としてのまとまりが出るメリットがあります。
設備の相性を考えた最適構成が可能
例えば、節水機能をもつトイレ、断熱仕様のユニットバス、使い勝手を考えたキッチンなど、各機器を相互に最適な仕様で選べるのも大きな利点です。
将来的なメンテナンス性の向上
改修済み設備は同時期に寿命を迎えるため、メンテナンスや交換タイミングを揃えることができます。分散して交換すると将来的にバラバラの時期で負担が分散することになります。
2. 一括改修の費用相場と構成例
区分 | 費用目安 | 備考 |
---|---|---|
4点セット(キッチン・浴室・トイレ・洗面) | 200万円〜 | 標準仕様+工事費込みでの目安(戸建て) |
3点セットプラン | 約120万~200万円 | キッチン+浴室+トイレなど構成により変動 |
個別改修(各1か所ずつ) | キッチン:60〜150万円、浴室:70〜150万円、トイレ:15〜60万円、洗面台:15〜80万円程度 | 改修範囲・機器グレードで幅あり |
※ 上記金額には、内装改修・搬入経費・撤去費用などを含めないことが多いため、最終見積もりではこれらも確認が必須です。
※ 同じ時期にまとめて改修することで、足場費用や人件費を有効活用できるため、個別の合計よりも割安になるケースが多いです。
3. 水回り全体改修を検討すべきタイミング
- 設備を10年以上使用している、または機器の故障が増え始めた
- 配管・給排水に老朽化やサビ・詰まりの症状が出ている
- 各設備を順番に更新してきたが、バージョンや仕様がバラバラで不満がある
- 空間設計を見直したい(動線改善・バリアフリー化など)
- 近い将来にまとめてリフォームを予定している
「使えているから」「壊れていないから」と先送りせず、劣化の兆候を見逃さないことが重要です。
4. 一括改修で注意すべき課題・リスク
① 生活への影響・仮設設備の確保
工事期間中、水回りが使えない時間帯が発生します。仮設トイレ・洗面・キッチンスペースをどのように確保するかが計画上重要です。
② 工期が長くなる
複数箇所を同時に工事するため、各設備の絡みや仕上げが同時進行になります。スケジュール管理・仮住まい調整が必要です。
③ 見積もりの内訳の明確化
「セット価格」として提示される見積もりには、設備本体・工事費・撤去費・搬入費・内装仕上げ費用等が含まれていないケースがあります。必ず“含まれる内容”を確認することが不可欠。
④ 設備のグレードと仕様選定
すべてを最新仕様にするとコストが跳ね上がるため、優先順位をつけて仕様を選ぶ必要があります。必要な機能とデザイン性のバランスを取ることが肝心です。
⑤ 配管・排水ラインの制約
特にマンションでは配管の位置や排水勾配など構造的制限があります。移設が不可能な場合は、機器交換範囲での改修にとどめる必要があります。
⑥ マンション・建築規約の確認
共用部との境界・管理規約で改修できない範囲が定められていることがあります。事前に管理組合や規約を確認しておきましょう。
5. 成功する一括改修のポイント
- 複数業者から見積もりを取る:仕様や含まれる工事内容の違いを比較
- ショールームで実物確認:カタログだけで判断せず、現物・体感で仕様を判断
- セットパッケージを上手に活用:3点・4点セットプランはコスト抑制に有効なケースあり
- 機能とデザインの優先順位を明確にする:すべて最新にするよりも、使う機能に重点を
- 仮設動線の確保:家族が生活できるよう、工事中の代替設備を計画
- 保証・アフターサービスを確認:設備本体・工事保証・定期メンテナンス体制を確認
6. 事例紹介:静岡県内での4点セット改修
静岡市の戸建て住宅では、築25年を迎えた段階で水回り設備が老朽化していたため、キッチン・浴室・トイレ・洗面所を同時に改修。セット工事により足場費用を削減し、仕様を統一することで見た目の統一感も実現しました。工事後は「家が明るく・使いやすくなった」との評価をいただいています。
まとめ
- 水回り全体一括改修には、費用・時間・手間での効率化や統一感といった大きなメリットがあります
- ただし、工事期間中の生活影響、配管制約、見積もりの透明性など注意点も多いため、慎重な検討と業者選定が不可欠です
- 成功には、複数業者見積もり・ショールーム確認・セットプラン活用・仮設動線の確保・保証体制の確認がポイントです
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賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1‑27‑53
電話:054‑261‑2807(10時〜17時)
社長直通:090‑6587‑4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市
次回予告
次回は 「結露や湿気によるカビを防ぐ断熱・換気リフォーム」 をテーマに、住まいの快適性・健康性を高める設備・施工方法をご紹介します。どうぞお楽しみに!