BLOG

ブログ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 2・健康を守る家
  4. UA値・断熱等級とは何かを知りたい

UA値・断熱等級とは何かを知りたい

性能を「見える化」する指標を理解して、比較検討を賢く進めよう

はじめに:性能表示に注目する理由

断熱リノベーションを検討すると、多くの会社や資料で「UA値」「断熱等級」という言葉が出てきます。
これらは、住まいの断熱性能を比較する指標です。
漠然と「この会社は断熱が優れているらしい」と判断するより、数値を知って比較することで、後悔しない選択ができます。

この記事では、UA値・断熱等級の意味、見方、限界と活用法について整理します。


UA値(外皮平均熱貫流率)とは何か?

UA値の意味と本質

「UA値(ユーエーち)」は、建物の外皮(外壁・屋根・床・窓などの外に接する部分)を通して、どれだけ熱が逃げやすいかを表す指標です。
具体的には、外皮全体からの「熱の逃げる量 ÷ 外皮の表面積」で求められる値で、単位は W/(㎡・K) です。
この数値が 小さいほど、熱が逃げにくい=断熱性能が高い家 と言えます。
(参考:断熱性能を示す「UA値」とは?各地域の基準など)

UA値の計算の流れ(概要)

  1. 各部位(壁、屋根、床、窓など)ごとの熱損失量を算定
  2. それらを合計した「熱損失量の総和」を求める
  3. 外皮全体の面積(㎡)で割る

このようにして得られるのが、建物1㎡あたりの平均的な熱損失量=UA値です。
(参考:UA値の計算方法の解説)

UA値とQ値・C値との違い

  • Q値:従来使われていた熱損失係数で、延べ床面積に対して熱損失を比較する尺度
  • UA値:外皮面積ベースで計算し、より現代の断熱性能評価に適している
  • C値:気密性を示す数値。住宅のすき間がどれだけ少ないかを表し、値が小さい方が高気密
    これらを複合的に見ることで、断熱性能をより精度高く把握できます。

断熱等級とは何か?性能の基準値

断熱等級の考え方

断熱等級は、建物の断熱性能をいくつかの等級で分類する制度で、主に「UA値」「日射取得率(ηAC値)」を基に評価されます。国が定めた基準に基づいて、住宅がどの級に該当するかが表示されます。

等級が高いほど性能も高く、適用できる補助制度や評価基準も有利になることがあります。

等級ごとの目安と地域性

断熱性能の等級基準は、地域区分(気候帯)によって異なります。
つまり、寒暖差の大きい地域と温暖な地域とでは、求められる性能水準が異なるのです。

例えば、断熱等級5を目指す場合、UA値0.6以下が目安となることがあります。

一例として、ある地域で断熱等級5を実現するには、壁の断熱材を厚く入れたり、窓を高性能サッシ+ペアガラスにしたりといった仕様が採られることがあります。


UA値・断熱等級から何がわかるか?活用のポイント

数値で比較できるようになる

住宅会社の見積もりや仕様書に、UA値や断熱等級が明示されていれば、複数のプランを数値で比較できます。
「断熱が優れている」と言われても、数値で裏付けがないと根拠が曖昧なままです。

数値の限界・注意点も把握する

ただし、UA値や等級だけで家全体の快適性を保証できるわけではありません。以下の点に注意が必要です:

  • 気密性(C値)が悪いと、高断熱でもすき間風が入ってしまう
  • 換気計画が不適切だと湿気・空気汚染が問題になる
  • 日射・遮熱性能が低いと夏の暑さが室内に影響を及ぼす
  • 部位によって性能がばらついていると、部分的に冷気が感じられる

これらを含めて、総合的な性能設計を重視すべきです。


まとめと判断基準

  • UA値が小さいほど断熱性能が高いと考えてよい
  • 断熱等級は UA値+日射取得率などを基に評価される制度
  • 施工プランでは、性能数値・気密・換気・遮熱などすべてをバランスよく計画することが重要

これらの指標を理解することで、見積りや提案内容をしっかり比較でき、納得できる選択につながるでしょう。


次回予告

次回は「気密(C値)って聞いたけど、普段の暮らしでどう関係するのか?」をテーマに、家の気密性が暮らしに与える影響と、快適な住環境を支えるポイントを解説します。


資料請求・お問い合わせ

資料請求はこちらから
賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(受付 10時〜17時)
社長直通:090-6587−4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市