
長期優良住宅化リフォームの条件とは
補助と性能を両立させるリノベーションの指針
長期優良住宅化リフォームとは
「長期優良住宅化リフォーム」とは、既存住宅を長持ちさせつつ、快適性や省エネ性、耐久性を高めるリフォームを行うための制度です。国(国土交通省)が中心になって、性能向上リフォームに対して補助金制度を設けています。
このリフォーム制度を利用すると、補助金を受けつつ高性能な住まいを実現できる反面、要件が厳しく設定されています。本記事では、適用を受けるために必要な条件、補助額・補助率、注意点を整理します。
適用を受けるための主な条件
長期優良住宅化リフォーム制度では、以下のような要件が定められています(概要ベースですので、最新の公募要領をご確認ください)。
① インスペクション(診断)を事前に行うこと
リフォーム前には建物の現状を診断・評価するインスペクションを実施し、劣化・損傷部位を把握することが義務付けられています。リフォーム後にはこの診断内容をもとに、補修計画を反映させることが求められます。
② 性能対策の実施
リフォーム後に、以下のような性能向上を行うことが要件となります:
- 劣化対策:構造躯体や基礎部分の補強・抵抗性確保
- 耐震性:新耐震基準相当以上への適合
- 省エネルギー性:断熱、気密、窓交換などの性能向上
- 維持管理・更新の容易性:将来の点検・補修がしやすい構造
- 高齢者対応またはバリアフリー設計(場合により)
これらの中から必須要件が定められており、すべての要件を満たすことで高い補助額を得られるケースもあります。
③ 住宅規模・構造条件
- 1階の床面積(階段を除く面積)が 40㎡以上
- 延べ床面積が 55㎡以上
- リフォーム前後ともに、延べ床面積の過半数以上が住宅用途であること
これらの住宅規模条件を満たさない場合、制度の適用対象から外れる可能性があります。
④ 維持保全計画・リフォーム履歴の作成
リフォーム後に、計画的な点検・補修を行うための維持保全計画を作成することが求められます。また、将来の改修履歴を記録に残すことも条件に含まれています。
⑤ 評価基準を満たすこと
リフォーム後の住宅性能が「A基準」「S基準」といった評価レベルを満たす必要があります。例えば、省エネ性・耐震性・劣化対策等で一定の基準をクリアすることが補助対象となります。
補助金・補助率・補助上限
制度には補助率や上限額が設定されています。制度の種類や補助方式によって異なりますが、一般的な目安として:
- 補助率:工事費の1/3 程度
- 補助上限:一般評価型で80万円/戸、条件によっては 130万円/戸
- 認定長期優良住宅型:160万円/戸、特定条件で 210万円/戸 というケースも報じられています
(例:2025年度制度例)
ただし、これらの金額は制度の年度・募集方式・仕様条件によって変動するため、最新の公募要領を確認することが不可欠です。
適用のメリット・注意点
メリット
- 補助金を受けながら長寿命化・高性能化が可能
- 補助の条件に性能基準があるため、高品質なリフォームを目指しやすい
- 断熱・耐震・維持管理性を統合的にクリアする設計ができる
注意点
- 要件が細かく、施工会社の選定が重要
- 補助申請は“事前申請”が必須で、着工前に許可を得る必要あり
- 補助金の予算枠が年度で終わることが多く、募集締切を逃さないようタイミング管理
- 補助金対象外工事にならないよう、仕様や対象範囲の確認が重要
チェックリスト:制度を活用するために確認すべきこと
チェック項目 | 内容 |
---|---|
施工会社が制度登録業者か | 登録がないと補助申請できないケースもある |
工事前にインスペクションを行うか | 前提出検査が義務付けられている |
補助対象となる仕様かどうか | 断熱性能・耐震性等の基準を満たす仕様か |
事前申請が可能な期限か | 着工前に補助申請を行う必要あり |
補助金の補助率・上限を把握しているか | 工事費とのバランスを見て計画する |
まとめ
長期優良住宅化リフォーム制度は、補助と性能向上を両立させられる魅力的な制度ですが、それを活用できるかどうかは事前準備と仕様の適合性にかかっています。
補助金ありきではなく、自宅の構造や性能向上設計をベースに検討し、制度を賢く利用することが成功への鍵です。
次回予告
次回は「耐震補強も一緒にやるべきか検討する」をテーマに、断熱改善と耐震工事の関係、効果、費用バランスを解説します。
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