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古民家や和の家で高断熱化する事例を探す方法とは

伝統家屋に現代の快適性を融合させる断熱の工夫

和の風情と快適な温熱環境の両立

古民家や伝統的な和の家は、木材や土壁など自然素材の質感や風情が魅力ですが、断熱性・気密性は近年の住宅ほど高くはありません。寒さ・暑さ・結露の悩みを抱えながら住んでいる例も多いでしょう。

そんな和の家を、住みながら快適性を高めるための断熱化には、素材を尊重しながら合理的な断熱設計が求められます。この記事では、古民家・和風住宅の断熱改修を検討する際に押さえておきたいポイントや工法、注意点をオリジナル視点で解説します。


古民家・和の家で断熱改修を行う際の課題

まず、和風・古民家住宅が断熱改修で直面する主な課題を整理します。

  • 構造材・梁・柱が見えている:断熱材を隠蔽しにくい
  • 土壁・真壁構造:厚みがあり、断熱材の施工が難しい場合がある
  • 軒・庇などの伝統的意匠:外観を崩さず断熱を強化したい要望
  • 通気性・湿気調整性重視の設計:自然素材の調湿性とのバランス
  • 耐震性・構造補強との併用要件:断熱改修中に構造補強を併せて行うケースが多い

これらを踏まえて、断熱改修の設計を行う必要があります。


和の住宅に適した断熱改修の工法・素材

以下は、古民家・和風住宅で使われやすい断熱工法や素材の選択肢とその特徴です。

内断熱改修(構造内部から断熱)

伝統構造を保持しつつ、壁・天井・床の内側に断熱材を充填する方法です。既存の構造を活かしながら断熱性を強化できます。

  • 木材間に高密度グラスウール・吹付ウレタンを施工
  • 梁・柱を避けて断熱を連続させる気密処理が重要
  • 仕上げに和室の雰囲気を残す仕上げ材を併用

外張り断熱の応用

伝統的意匠を壊さず、外壁側に断熱層を設ける方法です。

  • 外壁を覆うように断熱材を張り、外装を再施工
  • 通気層を確保して壁体内に湿気がこもらないよう設計
  • 軒・庇などとの取り合いに配慮して意匠を守る

床下・基礎断熱

古民家は床下空間が大きいことが多く、そこを断熱補強することで冷気の侵入を抑制できます。

  • 基礎外周に断熱材を設置する基礎断熱
  • 床下に断熱層を設けて足元冷えを低減

窓・建具の改修

  • 障子・窓を断熱性能の高いガラス+サッシに改修
  • 内窓の追加で断熱性・防音性を向上
  • 伝統建具の風合いを活かしつつ、断熱化対応品を選定

設計時に注意したいポイント

古民家・和の住宅で断熱改修を成功させるためには、以下の点を設計段階で慎重に検討する必要があります。

  1. 断熱・気密性能と自然素材の調和
     自然素材を活かしながら、断熱材と気密処理を適切に設計すること。
  2. 湿気・換気計画
     湿気を放出できる換気ルートを設け、壁内・床下の結露リスクを抑える。
  3. 検証可能な断熱性能指標
     UA値・C値などの数値化指標を設計に取り入れ、性能の見える化を行うこと。
  4. 意匠保全
     外観を尊重する設計(屋根勾配、軒、外観ディテール)と断熱の両立。
  5. 構造補強との併用設計
     耐震補強を同時に行う可能性を見据えた断熱設計。

次回予告

次回は「住みながら工事をする方法を調べる」をテーマに、断熱リノベーションを居住しながら進める際の工夫と注意点を解説します。


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