
スリッパを脱げる家へ:断熱設計のポイントとは
〜床の冷たさを感じさせない、裸足で快適な住まいをつくるには?〜
床の冷たさは思った以上にストレスになる
冬になると、家の中でも足元だけが冷たいと感じることはありませんか?
その冷たさがストレスとなり、「履物」が手放せない生活になることもあります。スリッパを脱いで自由に歩ける住まいは、見た目だけでなく健康や暮らしの快適さにも大きな影響を与えます。
このような「裸足で快適な住まい」を実現するには、床まわりの断熱性能に着目する必要があります。以下に、断熱リノベーションで特に重視したい点を整理しました。
1. 床断熱方式の選び方:床断熱 vs 基礎断熱
床の冷たさを抑える断熱方式には主に2つあります。どちらを選ぶかが、仕上がりの快適性やコスト、リスクにも関わってきます。
工法 | 特長 | 注意点 |
---|---|---|
床断熱 | 既存の床下スペースに断熱材を入れる方式。リノベ時によく採用。 | 配管・配線まわりの隙間処理が不十分だと冷気侵入の原因になる。 |
基礎断熱 | 建物の基礎(コンクリート部分)まで断熱する方式。床下空間も暖かい扱いになる。 | 床下を室内扱いとした際の換気・湿気管理やシロアリ対策が必須。 |
どちらが「裸足で快適」かは、地域の気候条件、床高さ、予算、構造条件によって変わります。
2. 断熱材の選び方と施工技術
発泡系断熱材(ウレタン・ポリスチレン)
- 隙間を埋めやすく断熱欠損を抑えやすい
- 湿気に比較的強く、性能低下しにくい特性
- ただし、施工時の膨らみ制御が難しいため、適正な吹付・切断精度が求められます
繊維系断熱材(グラスウール・ロックウールほか)
- 施工性が高く、コストも抑えやすい
- 湿気・たるみ・圧縮に弱いため、施工精度(隙間なく設置)と防湿処理が重要
- 断熱性能は発泡系よりやや劣るケースがある
施工技法の注意点
- 配管・配線まわりの気密処理:ここが断熱性能を大きく左右します
- 断熱材と下地の密着性:ズレや浮きがないように施工
- 断熱層の連続性:床・壁・天井との断熱継ぎ目を意識した納まり設計
- 防湿層・気密シートの設置:床下湿気対策も含めた総合設計
3. 局所暖房との併用で裸足環境を強化
全床を暖める床暖房ではなく、一部のゾーンに暖房を入れる方式でも十分効果を発揮できます。
- 脱衣所・洗面所・トイレにパネルヒーター設置
- 廊下や動線部分に薄型の温水パイプや輻射式パネル
- 床下エアコン方式(基礎断熱採用時)との組み合わせ
こうした補助的暖房を断熱性能と組み合わせることで、足元の冷たさを感じにくい住空間が実現できます。
4. リノベ時にチェックしたいポイント
- 断熱仕様を選ぶ前に現状の床裏・基礎・湿度環境を調査
- 赤外線カメラや温度センサーで冷たい箇所を可視化
- 各施工業者に断熱+気密施工実績を確認
- 断熱改修前後で床表面温度の比較データを出してもらう
- 必要であれば補助金制度の適用を検討
次回予告
次回は手足の冷え・汗ムラを断熱で解消する方法を解説します。
資料請求・お問い合わせ
賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1‑27‑53
電話:054‑261‑2807(受付 10時〜17時)
社長直通:090‑6587‑4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市