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「晴れているのに家の中が寒い」、その原因は“日射の設計ミス”にあった

こんばんは、かおり木工房のそうのです。
今日の静岡市は、時折青空が広がり、風が冷たく感じられる一日でした。
昼間も19℃までしか上がらず、日陰に入ると肌寒く、
「日差しはあるのに、なんだか家の中が寒い」と感じた方も多いのではないでしょうか。

実はこの“晴れているのに家が暖まらない”という現象、
断熱性能や気密性能が高い家でも起こり得ます。
そして、その原因は意外にも「太陽の入り方=日射設計」にあるのです。

今日は、なぜ晴れの日でも室内が寒くなるのか
そして「冬でも日向のように暖かい家」を実現するための3つの設計ポイントをお話しします。


第1章|“暖かさ”の8割は「太陽」がつくる

断熱性能を上げれば家は暖かくなる、そう思われる方は多いですが、
実は家の中を暖めているエネルギーの約8割は太陽の日射です。

人間の体感温度は、室温+放射熱(壁・床・窓からの温度)で決まります。
つまり、太陽の光がどこに、どれだけ当たるかで“暖かさの質”がまったく変わるのです。

たとえば、南側に大きな窓があっても、
・軒が長すぎて冬の日射が入らない
・隣家の影で昼間も日光が遮られている
・掃き出し窓の位置が高く、床に光が届かない
こうした条件が重なると、日中でも家の中は冷えたままになります。

太陽はタダのエネルギーです。
でも、“入れ方を間違えると”その恩恵をまったく受けられません。


第2章|「晴れても寒い家」に共通する3つの設計ミス

① 南面の窓が小さい/位置が高い

静岡のような温暖地では、「夏の暑さを避けたい」という理由で南窓を小さくするケースがよく見られます。
しかし冬は太陽高度が低く、小さな窓では床まで光が届かないのです。
結果、床や壁が蓄熱できず、午後になるとすぐに室温が下がってしまいます。

② 北・東・西の窓を多く取りすぎている

北や西の窓は日射取得がほとんどなく、逆に熱の逃げ道になります。
「明るくしたい」と窓を増やすほど、熱損失が増え、昼も夜も寒い家になります。

③ 太陽の角度を考えない庇(ひさし)設計

冬の太陽は高度30度前後。
庇が長すぎると、冬の日射が完全に遮られてしまう
逆に庇が短すぎると、夏は強い日射が入り、冷房負荷が増えます。
つまり、日射設計は“地域ごとに計算する”ことが必須なのです。


第3章|太陽に素直な家=“冬も暖かく、夏も涼しい”家

私たちかおり木工房が掲げているのが、
太陽に素直な設計」。

これは、松尾式全館空調の基本思想にも通じる考え方です。
太陽を味方にして、自然の力でエネルギー消費を最小限に抑えながら、
四季を通じて快適な室温を保つ。

そのために私たちは、

  • 太陽高度と方位角を計算した窓の配置
  • 庇や袖壁の角度をシミュレーションした日射遮蔽設計
  • リビングの床や壁の蓄熱材選定
    をすべて建物ごとに設計しています。

第4章|「日射取得」と「断熱・気密」の関係

太陽の熱を上手に取り入れても、家から熱が逃げてしまえば意味がありません。
つまり、“断熱・気密・日射取得”は3点セット。

断熱材は熱を“逃がさない”役割、
気密施工は空気を“漏らさない”役割、
そして日射取得は熱を“つくる”役割を担います。

どれか一つでも欠けると、
「晴れているのに寒い」「暖房が効かない」「結露が出る」といった不満につながります。

家の快適性は“性能の高さ”ではなく、“性能のバランス”で決まります。


第5章|日射を“熱”に変える床と壁の素材選び

太陽の光は、当たった物体に吸収されて熱エネルギーに変わります。
つまり、床材や壁材の蓄熱性が高いほど、太陽の恵みを逃さない。

おすすめは、

  • 無垢フローリング(ヒノキ・オークなど)
  • 塗り壁(珪藻土・漆喰)
  • 厚みのある石やタイルの床

これらは、一度暖まるとゆっくり放熱し、夜になっても冷えにくい特性があります。
逆に、ビニールクロスや薄い合板フロアは蓄熱性が低く、
晴れても短時間で冷えてしまうため注意が必要です。


第6章|夜になると冷える原因は“気流”にもある

昼間に暖まった空気を、夜まで均一に保つには気流設計が欠かせません。
せっかく太陽で暖めた空気が、部屋の上部にたまってしまっては意味がありません。

かおり木工房の松尾式全館空調では、
小屋裏のエアコンで温かい空気をゆるやかに循環させ、
床下へ戻す“対流のループ”を設計。
この方式により、夜になっても床温度が20℃前後をキープできます。


第7章|「晴れても寒い家」を防ぐ3つの黄金ルール

  1. 南面の窓を大きく、低く設計する
     → 床に日射を届かせ、蓄熱面積を増やす。
  2. 庇と袖壁の角度を“冬至基準”で設計する
     → 冬の日射は入れて、夏は遮る。計算上の庇長さが重要。
  3. 蓄熱できる素材を使う
     → 床・壁・家具の一部に熱容量の高い素材を採用。

この3つがそろえば、
晴れて気温19℃でも、室内は自然に22〜23℃まで上がります。
それが「太陽に素直な家」の最大の魅力です。


第8章|かおり木工房の“太陽設計”の現場から

静岡市葵区で今月完成したお客様邸では、
日射シミュレーションをもとに、
南面窓の位置と庇長さを最適化しました。

結果、10月の快晴日では、
午前10時時点でリビング床面温度が23.5℃を記録。
エアコンを稼働せずにこの温度を維持し、
午後6時の時点でも21℃を保ちました。

まさに「太陽で暖め、構造で保つ」設計の成果です。


第9章|“自然とともに暮らす”ことが、最高の省エネ

補助金や制度によるZEH(ゼッチ)性能も大切ですが、
本当の省エネとは、自然の力を使うこと

太陽・風・湿度の流れを読み、
それを家の形に取り込む。

それこそが、私たちが信じる「太陽に素直な設計」であり、
電気に頼らず快適に暮らす家づくりの答えです。


まとめ|晴れて19℃でも“自然に暖かい”家をつくる

今日のような秋晴れの日こそ、
家の設計力が試されます。

太陽の位置、窓の高さ、素材の選び方、空気の流れ——
そのすべてが噛み合って初めて、“数字では測れない暖かさ”が生まれるのです。

かおり木工房では、
「太陽に素直で、空気に正直な家」をコンセプトに、
冬でも晴れた日には暖房を使わない暮らしを実現しています。


賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」

住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市

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