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「寝室の温度差が睡眠を浅くする理由」

こんばんは、かおり木工房のそうのです。

静岡市は朝の気温が10度前後、昼間は18度ほど。
秋の光がやわらかく差し込み、空気に少しだけ冬の匂いを感じる一日でした。
昼間は穏やかでも、日が沈むと一気に冷え込みます。
「寝室に入るとひんやりするな」と感じた方も多いのではないでしょうか。

この“寝室の寒さ”、実は単なる不快ではありません。
睡眠の質、体の回復力、さらには免疫力にまで関係していることが、
医療・建築の両面から明らかになっています。

今日は、「寝室が寒い家」の共通点と、
本当に“眠れる家”をつくるための断熱・気流・換気設計についてお話しします。


第1章|眠れない原因は「部屋の温度差」にある

人は眠る前、深部体温をゆっくり下げながら眠りに入ります。
しかし、部屋の温度が低すぎると体が冷えきってしまい、
脳が「寒さへの防御モード」に入ってしまいます。

寝室の温度が18℃を下回ると、
手足の血流が低下し、深部体温が下がりすぎることで
入眠までに時間がかかり、睡眠も浅くなる。

長崎大学の研究でも、
「室温18℃以下では入眠に平均15分以上余分にかかる」
という結果が報告されています。

つまり、快眠できるかどうかは、
家の温度を“どれだけ一定に保てるか”にかかっています。


第2章|寝室だけ寒い家に共通する3つの設計ミス

寝室が寒い——。
そこには多くの場合、構造上の原因があります。
特に以下の3つが典型的です。

❶ 断熱が「居室だけ」で完結している

リビングやLDKは高断熱仕様でも、
寝室や廊下は“外気と直結”のままというケースが多い。
2階の寝室は特に、屋根・外壁が直接外気に触れるため、
夜の冷え込みが強く出ます。

→ 対策:屋根断熱を400mm前後に強化し、
可変透湿気密シートで湿度を安定化。
夜間の放射冷却による温度低下を約40%抑制できます。


❷ 換気が「個室止まり」になっている

寝室だけで給気・排気を完結させると、
CO₂濃度が上昇し、湿度が高まりやすくなります。
その結果、朝の結露・カビ・ダニが発生しやすい環境に。

→ 対策:一種換気+全館空調を組み合わせる。
松尾式Ver3では、床下と天井裏を利用して
家全体の空気をゆるやかに循環。
CO₂濃度を1,000ppm以下に保ち、
深い睡眠を誘う「酸素の質」を確保します。


❸ 寝室の位置が「北側」なのに日射を考慮していない

静岡市の冬の南中高度は約33度。
北側の部屋は、冬の間ほとんど日射を得られません。
昼間の蓄熱がないため、夜は急冷し、
リビングとの温度差が5℃以上にもなることがあります。

→ 対策:北側寝室でも「内壁断熱+床下循環」により快適化。
床下エアコンで緩やかに暖気を送ることで、
暖房負荷を増やさず“温度差のない寝室”を実現できます。


第3章|温度ムラが睡眠を浅くするメカニズム

寝室の中で足元だけ冷たい——。
この「部分冷え」こそ、浅い眠りの原因です。

脳は眠っていても体温を監視しており、
足先や首まわりが冷えると、
「深部体温を守るため」に浅い眠りへ切り替えます。

つまり、部屋全体が一定温度で保たれていれば、
脳も体も“完全に休息”できる。

快眠環境の指標となるPMV値で見ると、
理想的な寝室は PMV=±0.0前後(22℃・湿度50%)
この条件を夜間も維持できる設計こそ、
“眠れる断熱住宅”といえるのです。


第4章|「寝室は寝るだけ」と考えるリスク

家づくりの打ち合わせで、
「寝室は寝るだけだから、ほどほどでいいです」
という言葉をよく耳にします。

しかし、行動経済学で言う「プロスペクト理論」によれば、
人は“体験していない不快”を軽視する傾向があります。
つまり、建てる前に「冬の夜」を想像できない。

結果として、
・リビングは快適なのに寝室が寒い
・朝起きると窓が結露している
・トイレへの移動でヒヤッとする
といった問題に気づくのは、住んでから。

かおり木工房では、設計段階で夜間の温熱シミュレーションを実施。
PMVcalcを用いて、各部屋の体感温度を数値化し、
「寝室・脱衣室・廊下の温度差を2℃以内」に抑えています。


第5章|静岡の気候に合わせた“眠れる家”の条件

静岡は全国的にも放射冷却が強く、
朝晩の冷え込みと昼間の温度差が大きい地域です。
特に北側の寝室は、断熱の完成度が如実に出る場所。

かおり木工房では、

  • 屋根断熱400mm
  • C値0.1(全棟実測)
  • 一種換気+床下全館空調(松尾式Ver3)
  • 可変透湿シート(タイベックVCLスマート)
    を標準仕様とし、
    冬の寝室でも室温22℃前後・湿度45〜55%を安定的に保っています。

この結果、
「朝起きた瞬間から快適」
「夜中に起きても寒くない」
「窓まわりが結露しない」
そんな暮らしが実現できます。


第6章|結論:快眠こそ、最高の省エネ

暖かく眠れる家は、
実は“電気代がかからない家”でもあります。
冷えた体を暖め直すための余分なエネルギーが不要だからです。

ぐっすり眠れる家は、翌日の集中力も高く、
体調を崩しにくくなる。
つまり「快眠=健康=省エネ」の好循環が生まれます。


まとめ|寝室を“住まいの最後の砦”に

・寝室の温度18℃以下は睡眠の質を下げる
・気密と換気をセットで考えることが重要
・北側寝室は断熱+床下循環で補う
・PMVで体感温度を設計する
・快眠こそ、家族の健康と家計を守る最大の省エネ

“眠れる家”は、図面ではなく「体感」から始まります。
もし今の家で、夜中に寒さを感じるなら——
それは家づくりを見直す合図かもしれません。


賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店
「かおり木工房」

住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市

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