「玄関に窓はつけるな…は本当?“寒くならない窓の正解”とは」
晴れ間はあるのに冷たい空気が指先を奪う寒波の日。
玄関に立った瞬間、このテーマを書かずにいられませんでした。
こんばんは、かおり木工房のそうのです。
今朝は本当に冷たかった。
現場でチェックしていて、手袋越しでも手がしびれるような寒さ。
冬の空気の鋭さを感じる日でした。
こんな日に必ず頭に浮かぶテーマがひとつあります。
「玄関に窓はつけて良いのか?」
家づくりの悩みトップ10に必ず入る“玄関の窓問題”。
今日はこれを深掘りします。
そもそも、なぜ玄関に“窓をつけたい”のか?
玄関に窓をつけたいという希望は、とても自然で、よく分かります。
多くのご家族が抱える心理背景はこんなところです。
① 暗い玄関が嫌だ
昔の暗い玄関の記憶や、賃貸の薄暗いエントランスの体験から、
「明るい玄関=良い家」という認識が強い。
② 来客が来たときに暗いと印象が悪い
玄関は家の“顔”。
明るく清潔に見せたい心理が働きます。
③ 土間収納の普及で玄関が暗くなりやすい
最近増えている
・ファミリー玄関
・ウォークスルー動線
・大型シューズクローク
これらは壁量が増える=暗くなるため、窓で明るさを補いたくなる。
④ SNSの影響で「明るい玄関=正解」のイメージが強い
写真では照明の陰影が映えますが、現実では“採光不足”を窓で補おうとしがち。
⑤ 小さい窓だから問題ないだろうと思われやすい
「FIX窓なら熱が逃げないでしょ?」
「小さいし大丈夫ですよね?」
こういう誤解が多いのが実情です。
では、なぜ“寒さに直結する”と言われるのか?
結論はシンプルです。
玄関は家で一番、外気の影響を受ける場所だから。
・外壁に接する面積が大きい
・外ドアが近い
・土間が冷える
・気密が取りにくい空間
そのため、ほんの小さな窓1つでも“温度差の仕組み”に影響するのです。
具体的には:
●① 窓は壁の10〜20倍の熱を通す
どんなに高性能窓でも、
壁そのものと比べたら“圧倒的に弱い”。
●② 冷たい空気は下へ下へ流れる
玄関土間は冷気の“溜まり場”。
窓で冷えた空気が土間に降り、廊下へ流れていく。
●③ 全館空調の効率が落ちる
松尾式全館空調は温度を均一にする仕組みだから、
玄関だけ極端に冷えると全体の負荷が上がる。
●④ 静岡の冬特有“放射冷却”の影響
静岡は晴れが多い分、朝方は急激に冷える。
この温度差が玄関窓に大きく出る。
つまり、玄関の窓は“他の部屋よりも寒さの影響が倍以上に出る”場所なんです。
では、玄関に窓は“つけられない”のか?
いいえ、つけられます。
むしろ、つけても全く問題ありません。
ただし──
“窓の付け方を間違えなければ”の話です。
玄関窓が寒さの原因になるのは、
窓そのものではなく“配置と設計のミス”です。
多くの家で起きているのは、次のパターンです。
・外気が当たるところに大きめの窓
・足元に近い位置の窓
・玄関ドアのすぐ横に窓
・気密が取れない引き違い窓
・採光目的なのに透明ガラス
これは、寒くなって当然です。
玄関に窓をつけるなら、これだけは絶対に守ってください
ここが本題です。
かおり木工房で実際に行っている“寒くならない玄関窓の付け方”を紹介します。
【玄関窓を付けるなら】
①「足元に冷気を落とさない位置」にする(ハイサイド窓)
窓は高い位置につけると
・冷気が直接落ちてこない
・採光はしっかり取れる
・外からの視線も気にならない
玄関は“高い光”がちょうどいいのです。
【玄関窓を付けるなら】
② FIX窓を選ぶ(開け閉めが不要な場所)
玄関で換気はしません。
むしろ気密を保つことが重要。
だから、
窓は開閉しないFIX窓が最適解です。
【玄関窓を付けるなら】
③ 最低でも樹脂窓 × LOW-Eガラス(断熱)にする
アルミ窓は論外。
アルミ樹脂複合もギリギリ。
玄関は“壁より外気の影響が強い場所”なので、
窓性能は妥協しない方が良い。
【玄関窓を付けるなら】
④ 透明ガラスではなく“型ガラス”にする
透明は熱が通りやすい。
型ガラスか、すりガラスのような拡散光が一番いい。
【玄関窓を付けるなら】
⑤ ドア性能(K2グレード以上)が必須
玄関ドアが弱いのに窓を良くしても意味がありません。
玄関温熱の主役は
「窓」ではなく「ドア」です。
【玄関窓を付けるなら】
⑥ 土間断熱を強化する
玄関土間が冷たいと、窓から入った冷気が底に溜まり続けてしまう。
床断熱に準ずる厚みで土間断熱を入れれば、
玄関の“底冷え”が激減します。
つまり、玄関窓は「あり」だけど「条件付きのあり」
玄関に窓をつけることは否定しません。
実際、
明るい玄関はやはり気持ちがいいし、
帰宅時の印象も大きく変わります。
でもその明るさと引き換えに
毎冬の玄関が5〜8℃になってしまうなら本末転倒。
だからこそ僕は、
つけるなら“ちゃんと暖かい窓”を設計するべき
だとお伝えしています。
今日の寒さが教えてくれたこと
今日のような寒波の日
玄関に立つと、
・ドア周りの冷たさ
・足元の冷気
・壁の表面温度の差
がよく分かります。
この体感こそ、
「玄関窓をどうするか」を考える一番の材料になります。
結論
玄関に窓はつけられる。
ただし、以下の条件を満たすこと。
高い位置(ハイサイド窓)
FIX窓
樹脂窓 × LOW-E断熱ガラス
型ガラス
玄関ドアはK2以上
土間断熱を厚くする
これらを守れば、
“明るい玄関 × 暖かい玄関”を両立できます。
玄関は家の入口。
ここが整えば、家の温熱品質が一段上に上がります。
それでは、また。
賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCV2CLl-P_j80GPTuVRLMXpQ
Instagram:https://www.instagram.com/kaorigikoubou/
LINE:https://page.line.me/107aufgi?openQrModal=true
TikTok:https://www.tiktok.com/@kaorigikoubou

















































