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新築なのに電気代が下がらない理由|静岡の工務店が現場から解説

こんばんは、かおり木工房の宗野です。

先日、お引き渡しから二年経ったお客様のお宅にお邪魔してきました。お茶を出してくださった奥様が、ふと「そういえば、前の家のときの半分くらいで済んでます」と電気代の話を始められて。冬場の一番寒い時期でも一万円ちょっとで収まっているそうで、こちらまで嬉しくなりました。

一方で、相談に来られる方からよく聞くのが「新築に建て替えたのに、思ったほど電気代が下がらなかった」という声です。新しい家なんだから当然安くなるだろう、と期待していたのに肩透かしを食らった、という話ですね。

これ、実はかなり多いんです。

なぜそんなことが起きるのか。今日はその理由を、静岡で家を建てている工務店の立場からお話ししたいと思います。これから家づくりを考えている方には、ぜひ知っておいてほしい話です。

同じ「新築」でも、光熱費はまったく違う

まず最初に申し上げておきたいのが、「新築」とひと口に言っても、家の性能はピンキリだということです。

ハウスメーカーや工務店によって、断熱の入れ方も、気密の取り方も、窓の選び方も、まるで違います。見た目はどれも同じように立派な新築でも、住んでみると冷暖房の効き方がまったく違う。これは本当によくある話なんです。

私がよくお客様にお伝えするのは、家を「魔法瓶」と「ザル」にたとえる話です。性能の高い家は、温かさ冷たさをしっかり閉じ込めておける魔法瓶のような状態。一方、性能の低い家は、いくらお湯を入れてもすぐ冷めてしまうザルのような状態です。

エアコンというのは、いわば「お湯を注ぎ続ける道具」なんですね。魔法瓶ならちょっと注ぐだけで温かさが続きますが、ザルだと注ぎ続けないと冷めてしまう。つまり電気代がかかり続けるわけです。

「最新のエアコンに買い替えたのに電気代が下がらない」という方は、家がザル状態になっていないかを疑ってみる必要があります。

断熱等級の話、ちょっとだけお付き合いください

ここで少しだけ専門的な話をさせてください。難しい数字は最小限にしますので、お付き合いいただけたら嬉しいです。

家の断熱性能には「断熱等級」という指標があります。1から7まであって、数字が大きいほど性能が高い。2025年からは、新築住宅は等級4以上であることが義務化されました。

ただ、ここで誤解してほしくないのが、「等級4をクリアしていれば光熱費が安い家になる」というわけではない、ということです。等級4は「最低限ここはクリアしてください」というラインであって、本当に快適で光熱費を抑えたいなら、もう一段二段上を目指したほうがいい。

うちでは等級6を標準にしています。これは正直、コストとのバランスを何度も検討した上で「ここがちょうどいい」と判断したラインです。等級7まで上げることもできますが、その分コストもかかる。お客様の暮らし方やご予算と相談しながら決めていく部分です。

数字よりも、見えない「すき間」が問題なんです

断熱等級と並んで大事なのが、気密性能です。これがC値という数値で表されるんですが、要するに「家にどれくらいすき間があるか」を測ったものです。

これね、私が一番強調したいところなんです。

どれだけ分厚い断熱材を入れても、家にすき間があったら意味がない。冬にダウンジャケットを着ていても、ジッパーが開いていたら寒いですよね。あれと同じです。

ところが、このC値、現場で測定しないと出ない数字なんです。設計図の上だけでは絶対にわからない。だから、工務店さんに家づくりを頼むときは「気密測定をやっていますか」と必ず聞いてみてください。「うちは大丈夫です」という返事だけだと、ちょっと心もとないです。

ちなみにうちは全棟測定しています。職人の手仕事で1ミリの差が出てくる世界なので、毎回ちゃんと数字で確認しないと不安なんです。

窓は家の弱点になりやすい

意外に思われるかもしれませんが、家の中で熱が一番逃げていく場所は窓です。割合でいうと、半分以上が窓から出入りしていると言われています。

昔ながらのアルミサッシに一枚ガラスの窓は、冬になると結露でびっしょりになりますよね。あれは、窓を通して外の冷たさが室内に伝わって、空気中の水分を冷やしているからです。窓そのものが冷えているから、家全体も冷えやすくなる。

今うちで標準にしているのは、樹脂サッシにペアガラス、もしくはトリプルガラスです。アルミサッシと違って樹脂は熱を伝えにくいので、結露もほとんど出ません。

「窓なんてどれも同じでしょう」とおっしゃる方もいますが、窓だけは絶対にケチらないほうがいいです。家の性能の半分は窓で決まると言っても言い過ぎではないくらいです。

換気のしかたで、せっかくの暖かさが逃げていく

家の中の空気を入れ替える換気システム、これも光熱費に効いてきます。

法律で24時間換気が義務付けられているので、新築には必ず換気設備が入ります。問題は「どんな換気か」です。

安い方法だと、お風呂やトイレの換気扇で空気を吸い出して、壁に開けた小さな穴から外気を入れる、というやり方になります。これだと、せっかく暖めた室内の空気をそのまま外に捨てて、冷たい外気をそのまま中に入れることになる。冬場、暖房をつけているのに足元が冷たい、という家はだいたいこのパターンです。

うちでは熱交換型の第一種換気を採用しています。出ていく空気の熱を回収して、入ってくる空気に移してくれる仕組みです。難しそうに聞こえるかもしれませんが、要は「もったいない」を減らす装置だと思ってください。

太陽光は「性能のいい家」につけてこそ意味がある

「太陽光をつければ電気代がゼロになる」という話、聞いたことがある方も多いと思います。

これ、半分本当で、半分は条件付きです。

家の性能が低いまま太陽光を載せても、発電した電気を冷暖房でガンガン消費してしまうので、結局あまり残らない。逆に、断熱と気密がしっかりしている家なら、発電した電気が余って売電できる、という状態が作れます。

順番が大事なんです。まず家の性能、その上に太陽光。この順番を間違えると、せっかくの設備投資がもったいない結果になります。

静岡という土地の特徴を踏まえて

うちは静岡市で家を建てているので、この土地の気候には特にこだわっています。

静岡って「温暖だから断熱はいらないでしょ」と思われがちなんですが、実際に暮らしてみると違うんですよね。冬の朝は意外と冷え込みますし、夏は湿気で蒸し暑い日が続く。藤枝や焼津のあたりも、夜になると思ったより気温が下がります。

それから、静岡は全国でも日照時間が長い地域です。これは太陽光発電にとっては大きな強みで、しっかり性能の整った家と組み合わせれば、光熱費の負担をかなり軽くすることができます。

地元の工務店として三十年以上家を建ててきた経験から言えるのは、「土地に合った設計」というのは机上では作れない、ということです。実際にこの地で暮らしている人間が考えるからこそ、その土地で本当に快適な家になります。

まとめ|光熱費は「家そのもの」で決まります

長くなりましたが、最後にお伝えしたいのは、光熱費を抑える家は「設備で作る」のではなく「家そのもので作る」ということです。

新築を建てる、リフォームをする、どちらの場面でも、まず見ていただきたいのは設備のカタログではなく、家の性能の話です。断熱、気密、窓、換気。この四つがしっかり整っていれば、その上に載せる設備は、それほど高価なものを選ばなくても十分に効果を発揮します。

逆に、ここを軽視したまま新築を建てると、何十年もの間、無駄な光熱費を払い続けることになります。これは本当にもったいないです。

「うちの場合はどうなんだろう」と気になった方、よかったら一度お話を聞きに来てください。土地の状況やご家族の暮らし方をうかがいながら、その方に合った答えを一緒に考えるのが、私たち地元工務店の仕事だと思っています。

明日も静岡は冷え込みそうですね。皆さま、暖かくしてお過ごしください。


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賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」

静岡市で、高気密・高断熱・一種換気+全館空調(松尾式)による家づくりを行っています。寒暖差に振り回されない、長く快適に暮らせる家を、地域の工務店としてご提案しています。

住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時から17時)
社長直通:090-6587-4713(「HP見た」とお伝えください)
施工エリア:静岡市・焼津市・藤枝市