冬はカラカラ。だからこそ「湿気」は“用意するもの”
こんばんは、かおり木工房のそうのです。
今日も朝から雨でしたが、
実は冬の室内環境で一番の敵は「湿気が多すぎること」ではなく、
圧倒的に足りないことです。
「冬はジメジメしないから、湿気は気にしなくていい」
これは、家づくりにおける大きな誤解のひとつです。
むしろ冬は、
湿度をどう“用意するか”が快適性と健康を大きく左右する季節です。
今日は、
- 冬の湿気はなぜ重要なのか
- 湿気はどこから用意するのか
- 気化式加湿器が一番な理由
- 超音波式加湿器がダメな理由
- お風呂の湯気を家の中に取り入れる考え方
このあたりを、現場目線でしっかりお話しします。
冬の不快感の正体は「乾燥」
冬になると、
- 喉が痛い
- 肌がかゆい
- 静電気がバチバチ
- 風邪をひきやすい
- 同じ温度なのに寒く感じる
こうした症状が一気に増えます。
原因の多くは、室内湿度30%以下です。
特に高気密・高断熱住宅では、
- 暖房がよく効く
- 外気が乾いている
- 換気で乾いた空気が入る
この3点が重なり、
意識しないと湿度は簡単に20%台まで落ちます。
これはもう、砂漠レベルです。
湿度は「勝手に上がらない」
まず大前提として知ってほしいことがあります。
冬の湿気は、自然には増えません
夏と違って、
- 窓を開けても乾いた空気
- 外気に湿気がない
- 暖房でさらに乾燥
つまり、
意識的に湿気を“供給”しない限り、室内は乾き続けるのです。
だから冬の湿気は、
「対策するもの」ではなく
「準備するもの」
この考え方がとても重要です。
湿気はどこから用意する?
冬の湿気の供給源は、大きく分けて3つです。
① 人の生活から出る水蒸気
- 呼吸
- 調理
- 洗濯物
ただし、これだけでは足りません。
② 加湿器
ここが多くの家庭で頼るポイントですが、
方式選びを間違えると逆効果になります。
③ お風呂の湯気
実はこれ、
一番エネルギー効率の良い湿気源です。
なぜ「気化式加湿器」が一番なのか
結論から言います。
冬の住宅では、気化式(またはハイブリッド式)が最適解です。
理由は3つあります。
① 湿度が自然にコントロールされる
気化式は、
- 乾燥しているとよく蒸発する
- 湿度が上がると蒸発しにくくなる
という、物理法則そのままの仕組み。
加湿しすぎない。
これは高気密住宅では非常に重要です。
② 余計なものを空気中に撒かない
気化式は、
- 水だけが蒸発
- ミネラルや不純物はフィルターに残る
つまり、
空気中に「水蒸気だけ」を供給します。
③ 家と相性がいい
高気密・計画換気の家では、
- ゆっくり
- 均一に
- 安定して
湿度を上げる方が、結露リスクも低くなります。
気化式は、まさにこの条件に合っています。
超音波式加湿器が「ダメ」な理由
デザインが良く、価格も安い。
でも、住宅的にはおすすめしません。
理由は明確です。
① 水を“霧ごと”撒いている
超音波式は、
- 水を細かく砕いて
- そのまま空気中に放出
つまり、
- 水道水のミネラル
- 雑菌
- 不純物
これらも一緒に室内に撒いています。
② 白い粉の正体
家具や床に付く「白い粉」。
あれは、水道水中のミネラルです。
それを、
- 吸い込む
- 壁や家具に付着させる
これは、家にも人にも良くありません。
③ 結露リスクが高い
超音波式は、
- 一気に湿度を上げる
- 局所的に水分が多くなる
結果、
- 窓
- 壁の表面
- 換気口周辺
で結露を起こしやすくなります。
特に高断熱住宅では、
局所加湿=トラブルの元です。
冬は「お風呂の湯気」を家の中に使う
ここ、かなり重要です。
お風呂は、
- お湯を沸かす
- 人が入る
- 湯気が大量に出る
つまり、
すでにエネルギーを使って作った湿気です。
これを、
- すぐ換気扇で捨てる
のは、もったいない。
湯気は「家全体で使う」
かおり木工房では、
- 脱衣室
- 廊下
- リビング
へ、
湯気をうまく拡散させる考え方をしています。
もちろん、
- 換気を止める
- 結露させる
という話ではありません。
計画換気がある家だからこそ、
一度室内に回してから排気する
これが可能になります。
湿度40〜50%が「冬の快適ゾーン」
冬の目安は、
- 40%前後:快適
- 50%未満:健康的
- 60%以上:結露注意
高気密・高断熱住宅なら、
40〜45%を安定して保つのが理想です。
そのためには、
- 気化式加湿器
- 生活湿気
- お風呂の湯気
これらを「組み合わせて使う」ことが大切です。
冬の湿気は“管理”ではなく“設計”
冬の湿気は、
- 多すぎてもダメ
- 少なすぎてもダメ
だからこそ、
- 家の性能
- 換気計画
- 加湿の考え方
すべてがつながっています。
「冬は乾燥するから仕方ない」
ではなく、
「どう湿気を用意するかまでが、家づくり」
ここまで考えて初めて、
本当に快適な住まいになります。
かおり木工房からのお知らせ
かおり木工房では、
高気密C値0.3以下・高断熱・第一種換気+全館空調(松尾式)を前提に、
「冬の乾燥」まで含めた空気設計を行っています。
暖かいだけじゃない。
潤いもある家。
そんな住まいを、
静岡の気候に合わせて、本気でつくっています。
賢い夫婦がやっぱり選んだ注文住宅専門工務店「かおり木工房」
住所:静岡市葵区瀬名川1-27-53
電話:054-261-2807(10時〜17時)
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