断熱等級が低い家に住み続ける危険性とは?正しい選び方を工務店が解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。最近、「断熱等級6の家を検討しているんですが、どう思いますか?」というご質問をいただく機会が増えました。それだけ断熱への関心が高まってきた証拠だと感じています。
一方で、「断熱等級って何?どれを選べばいいの?」という方もまだまだ多いのが現状です。今日は、断熱性能の基本から、低断熱の家のリスク、そして正しい断熱の選び方まで、工務店の立場からわかりやすくお伝えしたいと思います。
断熱等級とは何か
断熱等級とは、住宅の断熱性能を国が定めた基準で評価したものです。現在は等級1から7まであり、数字が大きいほど断熱性能が高いことを意味します。2022年の改正で等級6・7が新設され、省エネ住宅への関心がさらに高まっています。
等級4は「次世代省エネ基準」と呼ばれ、長らく最高等級でした。ところが現在の水準で見ると、等級4は「最低限クリアすべき基準」に近い位置づけになっています。静岡市などの温暖な地域でも、等級5以上を目標にするのが現実的な選択肢になってきました。
断熱性能を表す指標としてよく使われるのがUA値(外皮平均熱貫流率)です。この値が小さいほど断熱性能が高く、熱が逃げにくい家を意味します。数値だけを見てもピンとこないかもしれませんが、光熱費や室内の快適性に大きく影響します。
断熱性能が低い家で起きること
断熱性能が低い家では、夏は暑く冬は寒い、いわゆる「温熱環境の悪い家」になります。エアコンをつけてもなかなか冷えない、または暖まらない――そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
焼津市や藤枝市のお客様からも「冬の朝、リビングから廊下に出るとあまりにも寒くて驚いた」「夏の2階はサウナみたいで眠れない」というお話をよく聞きます。これは断熱性能の不足が原因であることがほとんどです。
温度差の大きい家では、光熱費も高くなります。冷暖房の効きが悪いため、エアコンを長時間・高出力で動かす必要があるからです。同じ広さの家でも、断熱性能によって年間の光熱費が数十万円変わることも珍しくありません。長期で見ると、断熱に投じるコストは確実に回収できます。
ヒートショックと断熱の深い関係
断熱性能が低い家のリスクで、特に見逃せないのがヒートショックです。ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかる状態を指します。冬に暖かいリビングから寒い脱衣所に移動したとき、または浴室に入ったときに起きやすいとされています。
日本では年間約19,000人がヒートショックで亡くなっているというデータがあります(東京都健康長寿医療センター調べ)。その多くが65歳以上の高齢者です。55歳以上のご家庭では、断熱性能の向上が命を守ることに直結します。
高断熱の家では、部屋間の温度差が少なくなります。リビングも廊下も脱衣所もほぼ同じ温度に保たれるため、ヒートショックのリスクを大幅に下げることができます。静岡市の工務店として、私たちが高断熱にこだわる理由のひとつがここにあります。
断熱材の種類と特徴
断熱材にはさまざまな種類があります。大きく分けると、繊維系・発泡プラスチック系・天然素材系の3種類です。
繊維系はグラスウールやロックウールが代表的で、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。ただし、施工精度によって性能に差が出やすく、隙間があると効果が大幅に低下します。発泡プラスチック系には硬質ウレタンフォームや高性能フェノールフォームがあり、薄くても高い断熱性を発揮します。
重要なのは、断熱材の種類だけでなく「正しく施工されているかどうか」です。どんなに高性能な断熱材を使っても、施工に隙間があれば断熱の意味がありません。かおり木工房では、現場での施工品質にこだわり、気密測定も行っています。
これから家を建てる方へ:断熱性能の選び方
断熱等級を選ぶ際は、「最低限どこまで必要か」ではなく「長く快適に暮らすためにどこを目指すか」という視点で考えてほしいと思います。
静岡市・焼津市・藤枝市のような温暖な地域でも、冬の寒さや夏の猛暑は確実に存在します。特に夏の暑さは年々厳しくなっており、断熱・遮熱の対策は以前にも増して重要になっています。
光熱費の削減効果、快適性の向上、健康リスクの低減を総合的に考えると、等級5以上を目指すことが現実的なおすすめです。さらに余裕があれば等級6も検討する価値があります。初期コストは上がりますが、長期的な光熱費の節約と快適な暮らしで十分に元が取れます。
まとめ
断熱性能は、住み始めてからの暮らしを大きく左右します。夏の暑さ、冬の寒さ、光熱費、健康リスク、すべてが断熱と密接に関わっています。「断熱はよくわからない」という方も、まずは「等級4では物足りないかもしれない」という認識を持っていただくことが第一歩です。
家を建てる前に、断熱のことをしっかり話し合える工務店を選ぶことが大切です。数値だけでなく、施工方法や気密測定の実施についても確認するようにしてください。
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