網戸の選び方と虫の侵入対策とは?静岡市の工務店が通風と換気を解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。
静岡でも金木犀の香りがする日が出てきました。日中はまだ汗ばむことがありますが、夕方から夜にかけては窓を開けたくなるほど気持ちのよい風が入ります。ところがこの時期になると、決まってご相談が増えるお話があります。窓を開けると小さな虫が入ってくる、というものです。
静岡市の家で秋に虫の侵入相談が増える理由
虫が多いのは夏だと思われがちですが、実際には秋の入り口のほうが室内への侵入は起きやすくなります。理由はいくつかあります。まず、この時期は夜になっても気温が下がりきらず、屋外の小さな虫が活発に動きます。そして日が短くなるため、室内の照明が点く時間と虫が飛び回る時間が重なります。明かりに寄ってきた虫が、窓のわずかな隙間から中へ入ってくるわけです。
さらに、秋は一年でいちばん窓を開けたくなる季節でもあります。冷房も暖房もいらない、いわゆる中間期です。せっかく気持ちのよい風が入るのだから開け放したい。その気持ちは私もよく分かります。だからこそ、開けた分だけ虫の入る機会も増えるという単純な話でもあるのです。
静岡市でも田畑や川が近い場所、緑の多い場所では、この傾向がはっきり出ます。焼津市や藤枝市の郊外でも同じで、住まいの周囲の環境によって、必要な備え方は変わってきます。
網戸の種類と選び方を静岡市の工務店が解説
網戸というと、引き違い窓の外側にはまっている一枚をまず思い浮かべる方が多いと思います。これは横に動かして使うもので、価格が抑えられ、交換もしやすいという利点があります。一方で、窓の開いている側にしか網が来ないため、開け方を間違えると網のない部分が生まれてしまいます。
これに対して、使わないときは巻き取って隠せるロール式の網戸があります。玄関の引き戸や勝手口、縦すべり出し窓などに合わせやすく、見た目もすっきりします。ただし可動する部品が多いぶん、レールにごみがたまると動きが渋くなります。定期的に掃除ができるかどうかを考えて選ぶことが大切です。
網目の細かさにも種類があります。一般的なものは一インチあたり十八本前後の網目ですが、より細かい二十四本前後のものを選ぶと、小さな虫の侵入を減らせます。ただし細かくなるほど風の通りは弱くなり、外の景色も見えにくくなります。通風を重視するのか、虫を防ぐことを重視するのか、部屋ごとに考えるとよいでしょう。素材も、標準的な樹脂の網のほかに、ペットの引っかきに強いもの、ステンレスのもの、外から中が見えにくい加工をしたものがあります。道路に面した部屋では、見えにくいタイプが安心につながることもあります。
網戸を付けても虫が入ってくる本当の理由
ここからが本題です。網戸を付けているのに虫が入る、というご相談の原因は、網そのものではないことがほとんどです。
引き違い窓には、二枚のガラス戸が重なる部分、いわゆる召し合わせがあります。網戸を窓の右側に寄せて、窓は左側を開ける、という使い方をすると、この召し合わせの縦の部分に網のない隙間ができます。ここは指が入るほどの幅ではありませんが、小さな虫にとっては十分な通り道です。網戸と窓の位置を正しくそろえるだけで、この隙間はなくなります。意外と知られていない使い方の基本です。
もうひとつ、家の中と外の気圧の差が関係します。換気扇やレンジフードを回すと、室内の空気が外へ押し出され、その分だけどこかから空気が入ってきます。家の隙間が多い住まいでは、床下や壁の中、配管まわりの小さな穴から空気が引き込まれ、その流れに乗って虫が室内へ運ばれることがあります。窓をきちんと閉めているのに虫が出てくる、という場合は、この経路を疑う必要があります。
だからこそ、住まいの気密性能が効いてきます。隙間の少ない家では、空気の入り口が計画された場所だけになり、意図しない経路が減ります。かおり木工房では気密測定を行い、C値という数値で隙間の量を確認しています。数字を追いかけること自体が目的ではありませんが、どこから空気が入ってくるかを設計者が把握できているかどうかは、住み心地に確実に関わってきます。
窓を開けられない家で起きること
虫が嫌だからと窓を閉め切ったままにすると、別の問題が出てきます。空気が動かない部屋では、湿気がたまりやすくなります。秋は日中と夜の気温差が大きく、窓ガラスや外壁に面した壁際で結露が起きやすい時期に入っていきます。押し入れやクローゼットの奥に湿った空気が滞れば、黒い点が出てくることもあります。
また、窓を開ける前提で換気を考えている家では、閉め切ったときに空気の質が落ちます。人が呼吸すれば二酸化炭素が増えますし、調理や洗濯物の乾燥で湿度も上がります。窓を開けるという行為に頼った換気は、天気や季節、虫や花粉の状況に左右される不安定なものだ、ということです。
高気密高断熱の家で通風をどう考えるか
かおり木工房は松尾式のG3断熱を軸に、第一種換気と全館空調を組み合わせた家づくりをしています。この考え方の家では、窓を開けなくても、機械が計画した量の外気を取り入れ、汚れた空気を排出し続けます。しかも熱交換を行うので、外の空気をそのまま入れるのとは違い、室温を大きく崩しません。
つまり、換気のために窓を開ける必要がなくなります。窓を開けるのは、気持ちがいいから開ける、という選択になります。これは我慢しなくてよいという意味でもあり、開けたくない日は開けなくてよいという意味でもあります。虫や花粉が気になる日は閉めておけばいい。この自由さが、性能を上げることの実際の価値だと思っています。
そう考えると、すべての窓に網戸が必要とは限らないという判断も出てきます。開けることのない高い位置の窓や、採光だけを目的とした開かない窓には網戸は不要です。網戸は一枚ごとに費用がかかり、掃除の手間も増えます。本当に開ける窓はどれなのかを設計段階で整理しておくと、無駄が減り、家全体もすっきりします。
静岡市・焼津市・藤枝市で後悔しない網戸と通風の計画
私たちが打ち合わせでお伝えしているのは、まず開ける窓と開けない窓を分けることです。そのうえで、開ける窓については、風がどこから入ってどこへ抜けるのかを図面の上で確認します。一つの部屋に窓が一つしかなければ、風は通り抜けません。高い位置と低い位置に開口を分けると、温度差で自然に空気が動きます。
次に、防犯と両立させることを考えます。夜のあいだ窓を開けたままにするのは不安だという方には、細く開けた状態で固定できる金物や、縦すべり出し窓のように外から手が入りにくい形の窓が向いています。この場合も、網戸の形はその窓に合ったものを選ぶ必要があります。
そして、掃除のしやすさです。網戸は必ず汚れます。取り外して洗える場所にあるか、二階の窓なら室内側から手が届くか。年に一度の作業を、無理なく続けられる形にしておくことが、長く快適に使うためのいちばんの近道です。
まとめ
網戸は小さな部材ですが、選び方と使い方で暮らしやすさが変わります。網目の細かさは通風とのバランスで決め、引き違い窓では網戸と窓の位置をそろえる。それだけでも、秋の虫の悩みはかなり減ります。
そのうえで、そもそも窓を開けなくても空気がきれいに保たれる家にしておけば、季節や天気に振り回されずにすみます。静岡市・焼津市・藤枝市で家づくりを考えておられる方は、窓の計画と換気の計画を切り離さず、一緒に整理してみてください。私たちも、実際の敷地の風向きや周囲の環境を見ながら、一緒に考えさせていただきます。
参考:国土交通省 住宅・建築
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