小上がり和室のメリット・デメリットとは?藤枝市の工務店が解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。
藤枝市では朝からセミの声が響き、夏真っ盛りな陽気になってきました。日中の日差しは強くても、畳の部屋でごろりと横になる時間はどこか涼しげで、夏になると畳の良さをあらためて感じます。
今日は、リビング横の畳スペースとして人気の高い「小上がり和室」について、メリットとデメリット、後悔しないための設計のコツをお話しします。フラットな畳コーナーと迷われる方が多い部分なので、判断材料になれば幸いです。
小上がり和室とは
小上がり和室とは、リビングの床から一段高く、目安として30〜40センチほど上げてつくる畳スペースのことです。リビングと同じ空間にありながら、床の高さが変わることで緩やかに区切られた「もうひとつの居場所」が生まれます。段差部分を引き出しにして収納として使えるのも大きな特徴で、3畳から4畳半ほどの広さでつくるケースが多くなっています。
小上がり和室のメリット
まず、段差がベンチ代わりになることです。ソファとは別に、家族がちょっと腰かけられる場所がリビングに増えます。お子さんやお孫さんの遊び場を眺めながら腰かける、洗濯物を畳みながら腰かける、といった具合に、暮らしの中で自然と人が集まる場所になります。
次に、床下収納です。段差の高さを活かした引き出し収納は、こたつ布団や季節の飾り、おもちゃなどの置き場所として非常に重宝します。リビングまわりは物が増えやすい場所なので、収納が一気に増えるのは実用面で大きな利点です。
さらに、立体感のある空間になることで、リビング全体にメリハリが生まれます。畳に寝転がってお昼寝をする、来客時には客間として使う、洗濯物をまとめて畳む作業台代わりにするなど、使い方の幅も広く、床が一段上がっている分、リビングのほこりが畳面に入り込みにくいとも言われています。
小上がり和室のデメリット
一方で、注意すべき点もはっきりしています。最大のものは段差そのものです。小さなお子さんの転落や、暗がりでの踏み外しのリスクはゼロにはできません。家庭内の転倒事故への注意は消費者庁も繰り返し呼びかけており、特に年齢を重ねてからは、30センチを超える段差の上り下りが億劫になってくる場面もあります。
また、ロボット掃除機が段差を越えられないため、掃除の動線が分かれてしまう点、天井までの高さが段差の分だけ低くなり、リビングによっては圧迫感が出やすい点も考慮が必要です。費用面でも、フラットに畳を敷くだけの場合と比べて、造作や収納の分だけコストが上がります。将来、和室を使わなくなったときに間取りの自由度が下がる、という声もあります。
後悔しないための設計のコツ
まず高さです。収納を優先するなら30〜40センチ、腰かけやすさを優先するなら40センチ前後が座りやすいと言われますが、天井高とのバランスで決めるのが正解です。広さは3畳〜4畳半が使い勝手と圧迫感のバランスの良い範囲で、リビングの広さに対して欲張らないことが大切です。
収納は引き出し式か、畳を持ち上げる跳ね上げ式かで使い勝手が変わります。日常的に出し入れする物は引き出し式が向いています。照明は段差の踏み外しを防ぐため、足元を照らす工夫があると夜も安心です。将来の暮らしの変化に備え、いずれフラットな部屋に改修しやすいつくりにしておくという考え方も、50代60代の家づくりではお伝えしています。
使い方の幅を広げたい方には、掘りごたつ式のカウンターを段差部分に造作し、在宅ワークやお子さんの勉強コーナーを兼ねる方法や、来客用の布団一式を床下収納にまとめておく方法も人気です。小上がりは「和室」と構えず、家族の多目的スペースととらえると、設計の自由度がぐっと広がります。畳も、い草のほか撥水性のある和紙畳や樹脂畳を選べば、小さなお子さんの食べこぼしにも気楽に付き合えます。
フラットな畳コーナーとの比較
小上がりと並んでよく比較されるのが、リビングの床と同じ高さに畳を敷くフラットな畳コーナーです。フラット型の良さは、段差がないため転倒の心配がなく、掃除ロボットもそのまま走れること、リビングとの一体感が強く空間が広く見えること、そして造作費用を抑えられることです。小さなお子さんが走り回る時期や、将来の車いす利用まで見据えるご家庭には、フラット型のほうが合う場面も多くあります。
一方で、フラット型には床下収納がつくれず、腰かける場所にもなりません。空間の区切り感も弱いため、「リビングの一角に畳が敷いてあるだけ」という印象になりやすいのも事実です。つまり、収納と腰かけとこもり感を取るなら小上がり、安全性と一体感と費用を取るならフラット、という整理になります。どちらが優れているかではなく、ご家族の年齢構成と使い方で答えが変わる選択です。迷われたときは、10年後の家族の姿を想像してみると判断しやすくなります。
畳スペースの快適さは温熱環境で決まる
もうひとつ、見落とされがちな視点があります。それは、小上がり和室が使われ続けるかどうかは、結局そこが快適かどうかで決まるということです。冬に畳コーナーだけひんやりする、夏はエアコンの風が届かず蒸し暑い。そんな状態では、せっかくの畳スペースに誰も座らなくなり、物置になっていきます。
かおり木工房の家は、松尾式のG3断熱と全館空調で、リビングも小上がりも含めて家全体の温度を一年中穏やかに保ちます。静岡は温暖と言われますが、冬の朝の冷え込みは藤枝市でも本物です。床の高さが変わっても温度が変わらない家だからこそ、小上がり和室は「家族が一番くつろぐ場所」として長く生き続けます。
まとめ
小上がり和室は、腰かけられる段差と大容量の床下収納、空間のメリハリという魅力がある一方、段差のリスクや掃除のしにくさ、費用増という現実もあります。大切なのは、今の暮らしでの使い方と、10年後20年後の使い方の両方を想像して、高さ・広さ・収納の形を決めることです。
藤枝市・静岡市・焼津市で畳のある暮らしをお考えの方は、リビング全体のバランスから一緒に考えてみませんか。かおり木工房までお気軽にご相談ください。
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