玄関の手洗いとは?藤枝市の工務店が設置場所と使い勝手を解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。
十月の藤枝は、朝の空気がひやりとする日が出てきました。子どもが外から帰ってくる時間が早くなり、泥のついた手でそのまま家に入ってくる、という季節でもあります。この数年、打ち合わせの場で必ず話題に出るようになったものがあります。玄関の手洗いです。
藤枝市で玄関の手洗いのご相談が増えた理由
きっかけは、やはり感染症が広がった時期でした。帰ってきたらすぐ手を洗いたい、洗面所まで行く前に済ませたい、という声が一気に増えました。あれから数年が経ちましたが、ご相談は減っていません。理由は、手洗い以外の役に立つことが分かってきたからです。
庭仕事のあとに土を落とす。自転車を触った手を流す。ペットの足を拭くためのタオルを濡らす。花瓶の水を替える。子どもが持ち帰った上履きを洗う。外で使うものを洗う場所が玄関にあると、家の中に汚れを持ち込まずに済みます。
藤枝市や焼津市は、静岡市の中心部に比べて敷地が広く、庭や家庭菜園を持たれる方も多い地域です。外での作業が暮らしの一部になっている家では、玄関の手洗いは飾りではなく実用の設備になります。一方で、付けたけれど使っていない、というお話も伺います。その差はどこにあるのか、今日はそこをお話しします。
玄関の手洗いを置ける場所は三つある
玄関まわりで手洗いを置ける場所は、大きく三つに分かれます。それぞれ性格がまるで違います。
ひとつめは、土間の側、つまり靴を履いたまま使える位置です。外での作業の延長で使うなら、これがいちばん理にかなっています。泥のついた手、濡れた道具、靴そのものを洗うこともできます。床が土間なので水はねを気にせず使えるのが最大の利点です。ただし、玄関を開けたときに真っ先に目に入る場所ですから、見た目の印象を考える必要があります。
ふたつめは、上がり框を越えたホール側、靴を脱いだあとに使える位置です。帰宅してすぐ手を洗う、という用途に向いています。室内の仕上げに合わせられるので、インテリアとしてなじませやすい。一方、土を落とす用途には向きません。床が汚れたり濡れたりする前提になっていないからです。
みっつめは、シューズクロークや土間収納の中に隠す位置です。玄関のきれいな見た目を保ちながら、機能を確保できます。汚れものを扱う場所としても割り切れます。ただし、扉を開けて中に入るという一手間が加わるため、そこを面倒と感じる方は使わなくなります。
どれが正しいということはありません。ご家族の暮らし方で決まります。私たちが伺うのは、誰が、どんなときに、何を洗うのかという具体的な場面です。
使われる手洗いと使われない手洗いの違い
ここが今日の本題です。せっかく付けたのに使われていない手洗いには、いくつか共通点があります。
まず、動線から外れていることです。玄関を入って、リビングに向かう道筋から一歩でも外れていると、人は素通りします。玄関の隅、扉の裏側、廊下の行き止まり。そういう場所に付いた手洗いは、最初の一週間だけ使われて終わります。歩く向きの正面か、すぐ横にあることが条件です。
次に、高さです。洗面所の洗面台と同じ感覚で高さを決めると、立ったまま手を洗うには低すぎることがあります。玄関の手洗いは座って使うものではありませんから、腰より少し上、八十五センチ前後を目安に、使う方の身長に合わせます。お子さんが使うなら踏み台を置く前提で、その置き場所も考えておきます。
三つめは、水はねです。ボウルが小さく浅いと、水が跳ねて床や壁が濡れます。毎回拭かなければいけない場所は、使うのが嫌になります。ボウルはある程度の深さがあるものを選び、水栓の高さと向きも合わせて決めます。背面の壁は、水に強い仕上げにしておくと安心です。
四つめは、タオルと石けんの置き場所です。これが決まっていない手洗いは、まず使われません。手を洗ったあとに拭くものがすぐ手の届く位置にあるか。石けんを置く小さな棚があるか。図面には出てこない部分ですが、使うか使わないかを決めるのはここです。
最後に、掃除のしやすさです。玄関の手洗いは人目に触れる場所にありますから、水垢が目立つと気になります。拭きやすい形のボウル、掃除の届く配管の納まり、床との取り合い。日々の手間が少ないほど、長く使われます。
配管と間取りの制約を先に知っておく
玄関に手洗いを付けると決めたら、次は配管の話になります。ここで間取りの都合が出てきます。
玄関は、家の中で水回りから最も遠い位置にあることが多い場所です。給水と排水を新しく引くことになりますが、排水は勾配が必要ですから、経路が長くなるほど床下での取り回しが難しくなります。基礎の立ち上がりをまたぐ位置によっては、思ったところに置けないこともあります。
ですから、玄関の近くに他の水回りがあるかどうかが効いてきます。玄関の隣にトイレがある間取りなら、配管の経路を共有できて有利です。二階に水回りがある場合は、縦の配管の位置も関わってきます。こうした条件は、間取りが固まる前なら調整できますが、固まってからでは動かせません。
凍結への備えも必要です。土間側の手洗いは外気に近い位置にあります。静岡は温暖と言われますが、冬の朝の冷え込みは本物で、配管が外壁のすぐ内側を通っていると、条件によっては水が出にくくなることがあります。配管を断熱材の内側に納める、外壁に近い位置を避けるといった設計上の配慮が要ります。
冬に冷たい玄関では手洗いは使われない
もうひとつ、あまり語られない話をします。玄関が寒い家では、玄関の手洗いは使われません。
多くの家で、玄関とホールは家の中でいちばん寒い場所です。玄関ドアからの熱の出入りが大きく、暖房の届かない位置にあり、土間のコンクリートが外の温度に引っぱられます。冬の朝、玄関に立つと足元からひやりとする。あの空間で、冷たい水に手をつけたいと思う方は少ないでしょう。結果として、冬の半年は使われなくなります。
かおり木工房が松尾式のG3断熱を軸に、第一種換気と全館空調を組み合わせているのは、こうした「家の中の寒い場所」をなくすためです。玄関の土間まわりも断熱を切らさずに納め、玄関ドアの性能を選び、家全体の空気を動かす。そうすると、玄関ホールもリビングと大きく変わらない温度になります。
温度が整っていれば、玄関の手洗いは一年中使える設備になります。逆に、断熱を考えずに手洗いだけ付けても、冬は飾りになります。設備を足すより先に、その場所が使える環境かどうかを確かめる。これは玄関の手洗いに限らず、家づくり全体に通じる考え方だと思っています。
静岡市・焼津市・藤枝市で後悔しない玄関の手洗い計画
私たちが打ち合わせでお願いしているのは、玄関で洗いたいものを具体的に挙げていただくことです。手だけなのか、道具や靴も洗うのか。誰が使うのか。頻度はどれくらいか。それが分かると、三つの置き場所のどれが合うか、ボウルの大きさ、水栓の形、お湯が必要かどうかまで決まります。
そして、玄関収納やシューズクロークの計画と必ずセットで考えます。手洗いだけを後から図面に足すと、収納が削られたり、扉が開かなくなったりします。玄関という限られた面積の中で、収納、手洗い、動線をどう分けるかという話です。
藤枝市・焼津市・静岡市で家づくりをお考えの方は、玄関の平面図を広げて、帰宅してから手を洗うまでの数歩を追ってみてください。その数歩の途中に自然に置けるかどうかが、使われる手洗いになるかどうかの分かれ目です。
まとめ
玄関の手洗いは、土間側、ホール側、シューズクローク内という三つの選択肢があり、洗いたいものによって適した場所が変わります。使われるかどうかを決めるのは、大きさや価格ではなく、動線の中にあるか、高さが合っているか、水はねが気にならないか、タオルと石けんの置き場所があるかという細かな点です。
そして、配管の経路は間取りが固まる前でなければ動かせませんし、冬に寒い玄関では使われないという現実もあります。藤枝市・焼津市・静岡市で新築や建て替えをお考えの方は、設備の有無だけでなく、その場所が一年中気持ちよく使える環境になっているかまで、一緒に考えさせていただきます。
参考:厚生労働省 健康
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