平屋の中央部が暗い理由とは?藤枝市の工務店が採光の工夫と間取りを解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。
今日は十一月七日。暦の上では、立冬にあたります。藤枝や静岡では、まだ紅葉は本番前ですが、朝晩の空気は、冬の入口を思わせる冷たさになってきました。日が傾くのも早く、夕方には、窓から入る光が、一気に弱くなる季節です。
平屋を検討されている方から、よくいただくご質問があります。「平屋は、家の真ん中あたりが、暗くなりませんか」というものです。階段がなく、ワンフロアで暮らせる平屋は、老後の住まいとして、とても人気があります。ただ、その形ゆえに、光の取り入れ方には、二階建てと違う工夫が必要です。今日は、平屋の採光について、お話しします。
なぜ平屋は、中央部が暗くなりやすいのか
二階建ての家は、建物の高さがあるぶん、同じ床面積でも、建物の形が縦に伸びます。外壁に面した窓の面積も増えやすく、光が届きやすい形です。一方、平屋は、同じ広さの家を、一階にだけ広げて建てるので、建物の形が横に広がります。そのため、家の中心部は、外壁から遠くなります。
外壁にしか窓をつくれないという条件では、家の中央にある部屋や廊下には、直接光が届きません。南向きの大きなリビングが明るくても、その奥にある廊下や、北側の部屋が暗くなる。これが、平屋で中央部が暗くなりやすい理由です。
光を届ける方法は、いくつかある
家の中央に光を届けるための方法は、主に三つあります。ひとつ目は、屋根の高さに変化をつけて、高い位置に窓をつくる方法です。部屋の中央を少し高く持ち上げ、そこに高窓を設ければ、天井の近くから、光を取り込むことができます。
ふたつ目は、中庭やライトコートといった、外とつながる小さな空間をつくる方法です。家の真ん中に、光の通り道をつくり、その周りに部屋を配置する、いわゆるコの字型やロの字型の平屋です。部屋の中に、柔らかい光と風が届き、同時に、外から見えにくい、プライバシーのある空間ができます。
三つ目は、天窓です。屋根に窓を付けて、真上から光を入れる方法で、ほかの方法では光が届かない場所にも、明るさを届けられます。ただし、天窓には、夏の日差しによる暑さや、冬の冷えへの配慮が欠かせません。位置や大きさ、ガラスの性能を、しっかり検討する必要があります。以前の記事でも、メリットとデメリットをお伝えしましたので、あわせてご覧ください。
間取りの組み立てで、暗さは減らせる
窓だけでなく、間取りの工夫でも、暗さは減らせます。たとえば、廊下をできるだけ短くして、光が届く場所に、部屋を並べる方法があります。廊下に面して小さな窓をつくったり、壁の上部にガラスの欄間を設けたりして、隣の部屋の光を、そっと分けてもらう方法も有効です。
また、中央部には、光を必要としにくい部屋を配置するのもひとつの考え方です。収納、洗面、脱衣室、納戸などは、常に明るくなくても、困らない場所です。その分、リビングや寝室、書斎といった、長く過ごす部屋を、外壁に面した、光の入る場所に配置します。暮らし方の優先順位に合わせて、場所を割り当てるのです。
冬の低い日差しを、家の奥まで届ける
平屋の採光を考えるうえで、季節の太陽の高さも、大切な要素です。静岡では、冬の太陽は低く、昼間でも、部屋の奥まで光が差し込みます。この冬の日差しは、家を暖めてくれる貴重な恵みです。南側に開口を設けて、冬の光を取り込み、夏は軒や庇で日差しを遮る。こうした設計が、冬の暖かさと、夏の涼しさの、両方を助けてくれます。
平屋は、屋根が大きく、軒の出も、ゆったり取りやすい形です。軒の深さを調整することで、夏の高い日差しは遮り、冬の低い日差しだけを、部屋に入れることができます。これは、平屋ならではの、大きな利点です。
窓を増やしても、冬が寒くならない家
採光のために窓を増やすと、冬の寒さや、夏の暑さが心配になります。窓は、家のなかで、熱の出入りが最も大きい場所だからです。ですから、光を取り込むなら、窓の性能と、家全体の断熱の考え方が、欠かせません。
私たちが手がけている松尾式のG3断熱の家は、高気密・高断熱で、窓にも、断熱性能の高いものを使います。さらに、全館空調で家全体の温度を整えるため、窓が多くても、冬の窓際の冷えが気になりにくい設計です。静岡は温暖と言われますが、冬の朝晩の冷え込みは本物です。明るさと暖かさを両立できる設計が、平屋の快適さを、大きく左右します。
夜の明かりも、光の計画のうちに
採光というと、昼間の自然光に目が向きますが、夕方から夜の過ごし方も、同じくらい大切です。立冬を過ぎて日が短くなると、家で過ごす時間のほとんどが、人工の明かりの下になります。平屋の中央部は、昼間も暗くなりやすいぶん、照明の計画が、暮らしやすさを左右します。
廊下や、収納の前には、足元を照らす小さな明かりを付けておくと、夜中のトイレへの移動も、安心です。人の動きに反応して点く照明を使えば、スイッチを探す手間もありません。明るさを一か所に集中させず、必要な場所に、必要な量だけ配置する。この考え方は、将来、目の力が弱くなったときにも、役立ちます。自然光と人工の明かりを、組み合わせて考えることで、平屋の中央部も、居心地の良い空間に変えられます。
なお、平屋は、敷地の形や、隣の家との距離によって、光の入り方が大きく変わります。同じ間取りでも、土地が違えば、最適な窓の位置は変わります。図面だけで決めず、実際の土地で、太陽の動きを確かめながら計画することが、後悔のない家づくりの秘訣です。
まとめ:平屋の明るさは、計画で決まる
平屋の採光で大切なことは、三つです。家の中央は、外壁から遠くなるため、暗くなりやすいことを、あらかじめ理解しておく。高窓、中庭、天窓といった方法を、土地と暮らしに合わせて選ぶ。そして、窓を増やしても、寒さや暑さが気にならないよう、断熱と窓の性能を、しっかり確保しておく。この三つが、明るく快適な平屋の基本です。
家づくりは、材料よりも設計です。光の入り方まで丁寧に考えた平屋は、毎日の暮らしを、穏やかで心地よいものにしてくれます。平屋の間取りや採光についてのご相談は、静岡市・焼津市・藤枝市の方は、お気軽にご連絡ください。
参考:国土交通省 住宅・建築
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