スキップフロアのメリット・デメリットとは?焼津市の工務店が解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。
焼津市も今日は朝から強い日差しで、港のほうから吹く風さえ熱を帯びているような一日でした。夏本番、体調を崩されていませんでしょうか。
今日はスキップフロアについてお話しします。リビングの一角に数段上がった中二階の空間があって、そこが書斎やスタディコーナーになっている。雑誌やSNSで見かけて憧れている方も多い間取りです。実際、焼津市や静岡市でのご相談でも、スキップフロアってどうなんですかと聞かれることが増えました。結論から言うと、スキップフロアは魅力の大きい間取りですが、家の性能とセットで考えないと後悔しやすい間取りでもあります。順番にご説明します。
スキップフロアとは
スキップフロアとは、1階と2階の間に中間の床を設けて、床の高さを半階ずつずらしながら空間をつなげる間取りのことです。中二階、1.5階といった呼び方をされることもあります。リビングから数段上がった場所にスタディコーナーを設けたり、その下の段差を収納にしたり、床の高低差で空間を仕切る手法です。
壁で仕切るのではなく高さで仕切るため、視線が抜けて実際の床面積以上の広がりを感じられるのが最大の特徴です。
スキップフロアのメリット
一つ目のメリットは、空間の広がりです。天井の高さに変化がつき、壁がないのに場所ごとの役割が生まれます。同じ延床面積でも、のっぺりとしたワンフロアより奥行きと立体感のある空間になります。
二つ目は、床下を収納に使えることです。半階上げた床の下は、高さ1.4メートル以下の大容量収納にできます。季節の家電や子どもの思い出の品など、しまう場所に困るものの置き場として非常に重宝します。土地の価格を考えると、床面積を増やさずに収納を増やせるのは大きな利点です。
三つ目は、家族の気配がつながることです。スキップフロアのスタディコーナーで子どもが宿題をして、半階下のキッチンから声をかけられる。個室にこもらず、それでいて自分の居場所がある。この距離感は、子育て世代のご家族にとても喜ばれます。
なお、床下収納などの空間は、天井高や用途の条件によって建築基準法上の床面積への算入の扱いが変わります。この扱いは建築基準法や自治体の運用によって細かく決まっており、固定資産税の評価にも関わる部分ですので、計画の際は設計者に確認しながら進めるのが安心です。
スキップフロアのデメリット
ここからが本題です。スキップフロアには、事前に知っておくべきデメリットがはっきりとあります。
まず、温度ムラの問題です。スキップフロアの家は、家全体が壁の少ない一つの大きな空間になります。暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまりますから、断熱・気密性能が不足した家でスキップフロアをつくると、夏は上の段だけ暑く、冬は下の段だけ寒いという、段差ごとに温度の違う家になってしまいます。エアコンの効きも悪くなり、光熱費がかさむ原因になります。これは吹き抜けと同じ理屈で、間取りの問題ではなく性能の問題です。
次に、段差が増えることです。数段とはいえ階段が家の中に増えるわけですから、小さなお子さんや年配のご家族には転倒のリスクになります。老後を見据えると、毎日の生活動線に段差が組み込まれていることは、正直に言えばマイナス要素です。バリアフリーとは反対方向の間取りであることは理解しておく必要があります。
さらに、掃除や建築コストの面もあります。ロボット掃除機は段差を越えられませんし、構造が複雑になる分、同じ面積の総二階の家より建築費は上がりやすくなります。
後悔しないスキップフロアの条件
それでも私は、条件さえ整えばスキップフロアは良い間取りだと考えています。その条件とは、第一に家の断熱・気密性能です。かおり木工房では松尾式のG3断熱に一種換気と全館空調を組み合わせていますが、この性能帯の家であれば、仕切りのない大空間でも家中の温度差はごくわずかに収まります。静岡は温暖と言われますが、冬の朝の冷え込みは本物です。上下に空間がつながるスキップフロアこそ、高気密・高断熱の家でつくるべき間取りです。
第二に、目的をはっきりさせることです。おしゃれだからではなく、収納を増やしたい、子どもの学習場所をリビング近くにつくりたい、限られた敷地で広がりが欲しいといった目的があってこそ、段差の意味が生まれます。
第三に、将来の使い方まで描いておくことです。子どもが巣立った後、スキップフロアの空間を何に使うのか。趣味の場所なのか、収納なのか。寝室や水回りは1階のワンフロアで完結させておき、スキップフロアはプラスアルファの楽しみの空間と位置づける。この設計なら、老後も無理なく暮らせます。
平屋との相性と暮らしのアイデア
最近増えているのが、平屋にスキップフロアを組み合わせる計画です。平屋はワンフロアで暮らしが完結する安心感が魅力ですが、天井の高さがそろいがちで、空間が単調に感じられることもあります。リビングの一角に数段上がった中間床を設ければ、平屋の暮らしやすさを保ちながら、空間に変化と大容量の床下収納を加えられます。寝室や水回りは段差のない床で完結させておけば、老後の安心も損なわれません。
使い方としては、スタディコーナーのほか、在宅ワークの書斎、趣味のコーナー、お子さんの遊び場などが人気です。リビングから見える位置にあるため、家族の気配の中で自分の作業に集中できる、ほどよいこもり感が生まれます。一方で、壁がない分、音とにおいは家中に広がりやすくなります。オンライン会議の声やキッチンのにおいが気になる使い方を想定するなら、引き戸で緩やかに仕切れるようにしておくなど、一歩先の工夫をしておくと安心です。また、空間が上下につながる間取りでは、エアコンの位置や気流の計画も設計段階で検討しておくと、温度ムラをさらに抑えられます。
まとめ
スキップフロアは、視線が抜ける広がり、大容量の床下収納、家族の気配がつながる距離感という大きな魅力がある一方、性能が伴わなければ温度ムラと光熱費に悩まされ、老後には段差が負担になり得る間取りです。取り入れるなら、高気密・高断熱という土台と、目的と将来像のはっきりした設計が欠かせません。
焼津市・静岡市・藤枝市でスキップフロアのある家づくりをお考えの方は、間取りの憧れと暮らしの現実をすり合わせるところから、かおり木工房と一緒に考えてみませんか。お気軽にご相談ください。
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