ホームエレベーターとは?焼津市の工務店が将来設置するスペースを解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。
今日は文化の日。秋の行楽や催しを楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。澄んだ空気の気持ちよい季節ですが、日が暮れると、ぐっと冷え込みます。一日の終わりに、階段を上がって二階の寝室へ向かう。そんな何気ない動作を、ふと「十年後も、同じように上がれるだろうか」と考えた、という方もいらっしゃるかもしれません。
五十代、六十代の方の家づくりのご相談では、二階建てにしたいけれど、老後の階段が心配、というお話をよくいただきます。そんなときに、選択肢のひとつとして挙がるのが、ホームエレベーターです。今日は、いま設置しなくても、将来つけられる余地を残しておく、という考え方を中心にお話しします。
なぜ階段が、年齢とともに負担になるのか
階段は、毎日何度も上り下りする場所です。若いうちは気にならなくても、膝や腰に不安が出てくると、二階に上がること自体が億劫になります。洗濯物を抱えての上り下り、重い荷物の運搬、夜中にトイレへ行くときの足元など、小さな負担が積み重なります。
また、階段は、家庭内の事故が起きやすい場所のひとつでもあります。消費者庁なども、高齢者の家庭内事故について注意を呼びかけています。手すりの設置や、段差の寸法、照明の工夫といった基本の設計に加えて、そもそも階段を使わなくても暮らせる計画をしておくことが、いちばんの安心につながります。
ホームエレベーターを「将来のために残す」という選択
ホームエレベーターは、家庭用の小型のエレベーターです。階段の代わりに、二階と一階をつなぐ移動手段になります。ただ、新築の時点で設置するとなると、本体の費用に加えて、毎年の点検費用や、電気代、将来の部品交換といった維持の費用がかかります。ご家族の状況によっては、まだ必要ない段階での設置に、ためらいを感じる方も少なくありません。
そこで私たちがよくご提案するのが、「いまは付けない。ただし、将来付けられるようにしておく」という考え方です。具体的には、エレベーターを置ける広さの空間を、一階と二階の同じ位置に確保しておきます。普段は、一階を収納、二階を納戸やクローゼットとして使い、必要になったときに、その空間を使ってエレベーターを設置する、という計画です。
将来設置のために、いま決めておきたいこと
将来の設置に備えるとき、いちばん大切なのは、上下階で空間が重なる位置を確保しておくことです。一階の収納の真上に、二階の収納を重ねる。こうしておけば、後から床に穴を開けて昇降路をつくる工事も、比較的スムーズに進めやすくなります。
次に、構造の面です。床に開口をつくる場合は、梁や柱の配置との関係を、設計の段階で確認しておく必要があります。耐震性にも関わる部分なので、後から思いつきで開けることは、できるだけ避けたいところです。新築のときに構造の計算を行い、将来の開口を見込んだ設計にしておくと、安心して後から工事ができます。
さらに、電源や配線、機械室や基礎の考え方も、機種によって異なります。設置する機種が決まっていなくても、一般的に必要になる寸法の幅を持たせておけば、選択肢を狭めずに済みます。階段の位置と近いところに空間をつくっておくと、動線もわかりやすくなります。
エレベーター以外の選択肢も、並べて考える
ホームエレベーターは、便利な反面、費用と維持の負担があります。ですから、一番の目的である「老後も安心して暮らせる」を満たす方法を、いくつか並べて考えることが大切です。
たとえば、寝室、トイレ、洗面、浴室、そして小さな居間まで、一階で暮らしが完結する間取りにしておく方法があります。二階は、子どもが小さいうちや、来客のために使う空間にして、年齢を重ねたら一階だけで生活する。これなら、エレベーターがなくても、無理のない暮らしが続けられます。さらに、思い切って平屋を選ぶ方も増えています。平屋であれば、階段そのものがありません。
どの方法が合うかは、土地の広さ、ご家族の人数、お子様の将来、予算によって変わります。大切なのは、一つの答えに決めつけず、複数の案を、暮らしの場面に当てはめて比べることです。
高断熱の家は、移動の安心にもつながる
階段や廊下の移動で、見落とされがちなのが、家の中の温度差です。冬に、暖かい居間から寒い階段や廊下へ出たとき、体は大きな負担を受けます。とくに高齢の方にとっては、急な温度変化が、ヒートショックなど体調の変化につながることがあります。
私たちが手がけている松尾式のG3断熱の家は、高気密・高断熱に、全館空調を組み合わせています。家全体の温度差が小さいので、階段や廊下、トイレまで、寒さの負担が少なくなります。エレベーターの有無にかかわらず、移動のしやすさを支える、土台のような性能です。静岡は温暖と言われますが、冬の朝晩の冷え込みは本物です。年齢を重ねるほど、この温度差の少なさがありがたく感じられます。
費用と維持の考え方、ご家族で話しておきたいこと
ホームエレベーターを考えるときは、本体の費用だけでなく、維持の費用も含めて検討することが大切です。設置後は、定期的な保守点検が必要になりますし、電気代や部品の交換も、長い目で見れば発生します。金額は機種や契約内容、住まいの条件によって大きく異なりますので、目安だけで判断せず、複数のメーカーの見積もりと、保守の内容を確認することをお勧めします。
もうひとつ大切なのは、ご家族で、将来の暮らし方を話し合っておくことです。お子様が独立したあと、夫婦二人でどの部屋を中心に暮らしたいのか。親御さんと同居する可能性はあるのか。こうした話を一度しておくだけで、必要な設備の優先順位が、自然と見えてきます。工務店は、その話し合いの整理のお手伝いもいたします。
まとめ:選択肢を残しておくことが、将来の安心になる
ホームエレベーターの考え方は、いま付けるか付けないかの二択ではありません。将来付けられるようにしておく、という三つ目の選択肢があります。上下階で重なる空間を確保しておくこと、構造の面を設計の段階で確認しておくこと、そして、一階で暮らしが完結する間取りと併せて考えること。この三つを、ぜひ頭に置いておいてください。
家づくりは、材料よりも設計です。十年後、二十年後の暮らしを想像して、選択肢を残しておく設計が、いちばんの備えになります。老後の住まいや階段の不安についてのご相談は、静岡市・焼津市・藤枝市の方は、お気軽にご連絡ください。
参考:消費者庁
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