第一種換気のメンテナンスとは?静岡市の工務店がフィルター掃除を解説
こんばんは、かおり木工房の宗野です。
十一月に入り、静岡の朝晩は、はっきり冷え込む日が増えてきました。日が暮れるのも早くなり、夕方に窓を閉めて過ごす時間が長くなる季節です。窓を開けない時期だからこそ、家の空気を入れ替えてくれる換気設備のありがたみが、いちばん出る頃でもあります。
この時期、お引き渡しから一年、二年と経ったお施主様から、よくいただく質問があります。「換気のフィルターは、どのくらいの間隔で掃除すればいいのでしょうか」というものです。第一種換気は、家の空気の質を守る大事な設備ですが、普段は天井裏や壁の中で静かに動いているため、存在を忘れられがちです。今日は、そのお手入れの考え方を、暮らしの目線でお話しします。
なぜ換気のメンテナンスが大切なのか
住宅の換気設備は、建築基準法により、二十四時間ずっと動かし続けることが前提になっています。家の空気を、一時間あたり部屋全体の半分ほど入れ替える計算で設計されており、これは新建材から出る化学物質への対策として、二〇〇三年から義務づけられた仕組みです。つまり、換気は「必要なときに回すもの」ではなく、「止めずに回し続けるもの」です。
そのため、フィルターに汚れが溜まると、影響が長く静かに続きます。風量が少しずつ落ち、同じ設定でも空気が入れ替わりにくくなる。モーターに余計な負荷がかかり、音が大きくなったり、電気代がわずかに増えたりする。そして、換気が弱い家では、湿気や二酸化炭素、においが残りやすくなります。気づきにくいまま、空気の質だけが下がっていくのです。
第一種換気のフィルターは何を受け止めているのか
第一種換気は、給気も排気も機械で行う方式です。外の空気を取り込むときに、給気側のフィルターが、花粉や砂ぼこり、虫、排気ガスに含まれる粒子などを受け止めてくれます。ですから、フィルターは「家の空気の入口を守る門番」のような存在です。
静岡は、春にはスギやヒノキの花粉、初夏から秋にかけては虫、そして秋には落ち葉や砂ぼこりと、季節ごとに外気の汚れ方が変わります。フィルターの汚れ方も、時期によって変わります。花粉の多い春と、台風や強風のあとは、特に汚れが溜まりやすい時期です。
掃除の間隔は、機種によって指定が異なりますので、まずは取扱説明書の案内に従うのが基本です。一般的には、給気フィルターは数か月に一度、掃除機で表面のほこりを吸い取る程度のお手入れを推奨している機種が多く見られます。汚れがひどい場合は、水洗いができるタイプもありますが、洗えるかどうかは機種で違うので、必ず確認してください。
フィルター以外に見ておきたい場所
フィルターの次に気にしたいのが、外壁にある給気口と排気口のフードです。ここに、落ち葉や虫の巣、クモの糸、ほこりが詰まっていると、空気の通り道そのものが狭くなります。年に一、二回、外から目で見て、詰まりがないかを確認するだけでも安心です。脚立を使う高さにある場合は、無理をせず、点検のときに一緒に見てもらう形でも構いません。
もうひとつ、熱交換型の機種には、熱交換素子という部品が入っています。排気する空気の熱を、取り込む空気に移す役割をしている部分で、冬の暖かさ、夏の涼しさを逃がさないための大切な心臓部です。これも、機種によって年に一回から数年に一回の点検や、軽い掃除が案内されています。強くこすったり、洗剤を使ったりすると傷むことがあるので、説明書に沿って、やさしく扱うことが大切です。
点検のしやすさは、設計の段階で決まる
ここからが、工務店としていちばんお伝えしたい話です。換気のお手入れが続くかどうかは、実は、設計の段階でほぼ決まっています。機械が天井裏の奥に入っていて、点検口が狭く、荷物を動かさないと手が届かない。そんな家では、掃除が億劫になり、フィルターの汚れが何年も放置されてしまいます。
私たちは、換気の機械や点検口の位置を決めるとき、脚立に乗って無理なく手が届くか、ご夫婦が六十代、七十代になっても自分で点検できるか、という点を考えます。納戸の天井に点検口を設けたり、機械の前に作業のための空間を残したりするだけで、お手入れの負担は大きく変わります。
また、フィルターの交換部品が手に入りやすいか、メーカーの対応年数が長いか、といったことも、長く暮らすうえでは見ておきたい点です。引き渡しのときに、お手入れの方法を実際に見ていただき、写真つきの簡単な案内をお渡しするのも、私たちが心がけていることのひとつです。
全館空調と換気は、ひとつの設備として考える
私たちが手がけている松尾式のG3断熱の家は、高気密・高断熱に、一種換気と全館空調を組み合わせた造りです。この家では、換気と空調がひとつの流れとして働くため、家全体の空気が穏やかに循環します。その分、フィルターや機器のお手入れが、家の快適さと直結します。
高気密の家は、すき間が少ないので、換気が計画どおりに働いているかどうかが、空気の質を左右します。気密が高いからこそ、換気を止めないこと、フィルターを清潔に保つことが、いっそう大切になります。言い換えれば、お手入れさえ続けていただければ、一年中、空気が澄んで、温度差の小さい暮らしが続くということです。
お手入れを続けるための小さな工夫
どんなに良い設備でも、お手入れが続かなければ意味がありません。私がお施主様にお勧めしているのは、掃除の日を「季節の変わり目」に決めてしまう方法です。衣替えのとき、年末の大掃除のとき、春の花粉の前、といった節目に、フィルターを確認する。スマートフォンのカレンダーに予定として入れておくのも、忘れないための良い工夫です。
また、掃除のときは、ブラシ付きのノズルを使うと、フィルターを傷めずにほこりを取り除けます。音が急に大きくなった、吹き出し口の風が弱くなった、といった変化は、フィルターの汚れや部品の不具合のサインであることがあります。そうした小さな変化に気づいたら、早めにご連絡をいただければ、点検のうえ、必要なお手入れをご案内します。
まとめ:換気は、家の呼吸を整えるお手入れ
換気のメンテナンスで大切なことは、三つです。フィルターは、取扱説明書に沿って、季節の変わり目に確認する。外壁の給気口と排気口は、年に一、二回、目で見て詰まりがないかを確かめる。そして新築のときは、点検しやすい位置に機械と点検口を計画する。この三つを守るだけで、家の空気の質は長く保たれます。
家づくりは、材料よりも設計です。住んでからのお手入れまで考えた設計が、十年後、二十年後の快適さを決めます。換気のお手入れや、点検のしやすさについてのご相談は、静岡市・焼津市・藤枝市の方は、いつでもお気軽にご連絡ください。
参考:国土交通省 住宅・建築
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